経営者のアタマの柔らかさを測るひとつの尺度とは?
こんにちは。土曜日の皆既月食は見事でしたね。ワタシは、月を見上げていたためか、今も少し首が痛いです。
日曜日の昨日は、当社の元ディレクターとランチを共にし、なんだかんだ一日おしゃべりしてしまいました。彼女は現在、子育てまっただ中。二児の母親です。今日は、そんな茶飲み話を糸口にこれからの日本について思ったことを書きます。
子どもを育てていると、地域でいろいろな活動があることは想像に難くありません。彼女も現在、地域活動で役員を引き受けているそうです。役員仲間は当然、皆、子どもたちのお母さんたち。年齢的にいえば三十代後半です。聞くところによれば、このメンバーが相当に優秀な方たちだそうで、いろいろなアイデアを次から次へと出すだけでなく、物事をテキパキ決めていくのだそうです。ワタシがその能力を買っている彼女が「優秀な人たち」と呼ぶのですから、相当に優秀なのに違いありません。その方たちが、子育てを終えて、再就職をしようとした時期は実は企業にとっては狙い目で、人材の宝庫になっているのかもしれない…とそんな話になりました。
地域活動やボランティア活動では、女性文化と男性文化の違いが現れるという話も以前聞いたことがあります。こちらも別の元ディレクター(これまた女性)に聞いた話。彼女の参加しているボランティア活動には定年後の男性たちも参加しているそうなのですが、ミーティングでの男性の発言が、女性たちの「柔らかさ」と全然噛み合ないと聞きました。「柔らかさ」というのが何なのか、敢えてワタシなりに意訳してしまうと、それはおそらく「臨機応変さ」や「機転」、あるいは「フラットな会話」やそこから生まれる「創造力/想像力」ということだと解釈しています。
27年間会社を経営していて感じるのは、個人差は別として、総じて言えば、男性の得意なことは女性は苦手であり、女性が得意なことは男性は苦手。一般的に、性差を持ち出すと怒られますが、実際に性差はあると思います。もちろん、どちらがより優れているということではありません。
さて、少子高齢化と人口の減少に直面している日本にとって、労働力をどう確保するかは緊急課題のはずですが、残念ながら日本の現状は?といえば…。
スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」が発表した2011年版「男女格差報告」によれば、日本は135カ国中98位。前年より4位順位を落とす始末です。単純に言って、グローバル化が進む中で、こんなことで勝てるとは到底思えません。
女性の登用という切り口で、別の指摘もあります。
それは「女性が活躍しない国は、財政赤字が拡大する」というもので、中央大学文学部/山田昌弘教授が「週刊東洋経済」(2011年10月8日号)に書かれたようです(概要はこちら)。(ワタシ自身は現物を読んでいません)。ギリシャを初め財政危機に陥っている各国の女性の労働力率が低いのに対して、女性労働力率が高い国(北欧/ドイツ/オランダ/フランス等)は国家財政が比較的健全であり、少子化も食い止められているという共通点があるのだそうです。
女性の労働力率が高まれば、財政が健全化されるのかどうかはわかりませんが、上場企業における女性の役員比率がわずかに「1.23%」(東洋経済調べ)であるように、日本がダイバーシティ後進国であることは間違いありません。
ここで書きたいことは、女性の権利の問題でもなければ、女性の方が優れているということでもありません。経済活性化という視点から考えると、女性を積極的に登用することは不可欠ということです。何しろ労働人口が減りますし、マーケット人口の半分は女性だから、です。
日本は今、社会の大転換機にあるのですから、経営の発想も大転換しなければなりません。小学校のときに学級委員を男女一人づつ選んだように、「当たり前のこと」として企業が女性の活力をいかすべきときではないかと思います。女性の活用が進んでいるかどうかは、経営者のアタマの固さ/柔らかさを示している、そのぐらいに受け止めてもいい時代なのではないでしょうか。
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