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経営理念の浸透も大切ですが...

こんにちは、小野です。

月刊「近代中小企業」という定期購読誌(書店売りではない)の5月号で「経営理念の浸透」という特集を行うらしく、その中で私も1コーナーを担当し、原稿を執筆します。何人かの専門家の一人として書くので、特集の全体像について、私は承知していません。本日が原稿の締め切り日です。依頼内容は、4ページ程度の記事になる前提で5000字程度の原稿です。

この特集で私に対する編集部の期待は、クライアント支援サービスという視点からと、経営者として自社経営で経験した経営理念の浸透活動という視点から、汎用的なノウハウや知見を紹介してほしいということでした。

これは僭越な想像なのですが、様々なコンサルタントが執筆する中で、自らが自社の経営理念の社内共有で葛藤してきた人、あるいは経営者の立場で、経営理念とは何か、どうして伝わらないのか、どうすれば伝わるのかについて、トライ&エラーを繰り返してきた人…は、そう多くはないと思っています。つまり、自社の経験や悩みを原点に「社内広報」や「インターナルブランディング」に取り組めるのは、私の強みであり、当社の「強み」だなと、この機会に改めて思いました。

さて、すでに原稿は書き上げました。書くテーマがはっきりしている以上、「5000字、4ページ」というのは、ある意味あっと言う間です。あれも書きたい、これも書きたいと詰め込みすぎると、仕上がりが浅い印象になってしまいます。雑誌の性格からして「浸透方法」というハウツーへの期待は高いのでしょうが、それでも敢えて私は読者の方たちに「経営理念とはなにか?」という問題提起に重きを置いて、事例を交えて書かせていただきました。

みなさんは、「経営理念」とは何だと思いますか。
私は、「経営理念」について、以前はこんなふうに考えていました。
理想の社会像とその中でこんなふうに貢献していたいという理想の自社像である、と。ほかにもいろいろな定義があり得ますが、多くの企業で、概ねそんな理解をしているのではないでしょうか。

それは間違っていないのですが、私の体験では、それだけでは不十分であると今では思っています。なぜなら、私は、社員から幾度となく「当社の存在理由は何か?」とか、「当社のビジョンは何か?」と聴かれ、上記のような趣旨から、それなりに応えたつもりだったのですが、納得してもらえたなかった経験があります。
当時、なぜ納得してもらえなかったのか、私にはわからなかったのですが、今はこう思います。社員が私に尋ねていたのは、単なる「理想の自社像」ではなく、市場において「競争可能な自社像」だったのだ、と。

どういうことかと言いますと、人は誰でも「自分の存在理由」を求めています。だから、自分が所属する「組織の存在理由」も明快であってほしいと望みます。この場合の「存在理由」というのは、どの企業も掲げているようなことではなく、独自性のある考え方や共感できる思いです。他社との違いやそれにもとづく戦略も含まれています。当時を振り返ると、社員は私にわかりやすい差別化を求めていたのだと思います。たとえば、名刺を交換したときに、その数秒の間で自社をどう語るのか、そのようなことが重要なのですね。 つまり、あれもできる、これもできるではなく、エッジを立たせる、削ぎ落すというブランディング視点で「競争可能な自社像」について答えを出すことが求められていたのだと思います。

こうした体験から今回の記事では、「How(どうやって経営理念を浸透させるか)」よりも「What(何を浸透させるか/理念が何か)」の方がよほど大切だという視点で書かせていただきました。

今回、記事を書きながら、この手の話については書きたいことがたくさんあると痛感しました。もう少しボリューミーに体系的に書きたいな、とも。そのためには良いインプットが不可欠です。ご質問やリクエストは刺激的なインプットになるので、ぜひお気軽にお寄せください。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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