なぜ当社が社内広報/インナーブランディングを使命とするか
こんにちは。オノです。
ここ数週間、オリンピックを見ながら、寝不足に陥ったという方も多いのではないでしょうか。かくいうワタシも、そのクチです。でも、「ライブ」だからこそのものがあるのですよね〜 結果がどうなったかを知りたいのではないのです。懸命に闘っているその瞬間を応援したいのです。人はひたむきに生きる誰かに対して、無性に応援したくなる生き物なのですね。オリンピックを通じて、「生きる」本質、「生かされる」本質を実感しました。
ディレクター候補を募集します
さて、グラスルーツでは、現在採用活動を行っています。
募集の詳細につきましては、マイナビをご覧いただき、ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひご応募ください。
そんなわけで、今回は採用にかけるワタシの思いを語りたいと思います。今だから語れる当社の恥部、もはや懐かしいと思えるようになった出来事についても、率直に書きますね。
グラスルーツは、ブランディングやインナーブランディング、社内広報や社内コミュニケーションという分野でサービスを提供する会社で、制作系サービスは提供しているのですが、一般的な制作会社とは少し立ち位置が異なっています。広報ツールの制作を行う一方、コンサルティングやファシリテーション、レクチャーなども行っている、ちょっと変わった会社です。
けれども、創業初期からそうだったのかといえば、そうではありませんでした。もちろん、創業当初も、現在も、「広報」あるいは「コミュニケーション」の会社であることには変わりはありませんし、「そもそも」というところからアプローチする手法も創業当時からずっと変わっていないのですが、一時期はごく一般的な制作会社として、幅広く制作案件を受託していました。それは、ある意味、ワタシの性格とも関係していたような気がします。いただける案件はありがたくやらせていただく。頼られたら、イヤとは言わない。良くも悪くも、「謙虚に」「大らか」にビジネスをしてきました。
しかし、そうやってビジネスをしていくと、ブランドとして立ちにくくなりますし、スタッフも様々なノウハウ、スキル、情報、経験を持っていなければ対応できなくなります。一方で、ワタシ自身、未来永劫、仕事をやり続けるわけにもいきません。自分の人生の残る時間を何に使いたいのか、そう自問した時に「インナーブランディング」「社内広報」の分野で、世の中の役に立ちたいと思うようになったのです。
なぜ「社内コミュニケーション」か?
そうした思いを強く抱くようになった背景には、いろいろな事柄がありますが、象徴的な出来事を一つ挙げるのであれば、リーマンショック直後の出来事があります。当社の歴史始まって以来、最大のピンチに立たされました。極端にいえば、売上が半分になるくらい、急激に業績が悪化したのです。多くの社員に、辞めることを前提に仕事を探してもらうことになりました。一般的に言えば、残った社員はラッキーで、残れなかった社員はアンラッキーだということになるのでしょうが、実際にはそんなことはありません。残った社員は残ったものの、夢も希望もないまま仕事だけがある。ワタシも大きな喪失感に苛まれ、社員に向かって必要なメッセージを出すこともできず、結果、業績悪化のピンチ以上の大きなピンチに直面したのです。どんなピンチだったのか、それを一言でいうなら、「会社全体が鬱病状態」。誰の心にも「希望」というものがなくなった状態というのを体験しました。
今、これをここで語れるのは、業績回復はもとより、あの苦しかった「鬱病状態」から脱することができたからです。希望が持てない状態から、希望を持ち、目標を共有し、自分たちにしかできないことがあると思えるようになった。だからこそ、今回の採用では、「グラスルーツは何をしたいのか」に対し共感してくれる人に来ていただきたいと思います。
社内がバラバラになってしまう。その不幸は筆舌に尽くしがたいものがあります。人は、1日の大半を会社で過ごします。自分が所属している組織に、その人が希望が持てないということは、経営の「罪」です。けれども、経営者もそうしたくてそうなった訳ではないのです。いや、すべての経営者がそうだとは言いませんが、多くの経営者は自分の会社の社員に幸せであってほしいと思っているとワタシは信じます。
けれども、コミュニケーションに不器用な経営者も山ほどいるのが実情ではないでしょうか。「社内広報」というのは、社長直轄の経営マター。私たちが苦しんだ体験を武器に、社長と、社長を支える経営スタッフに対し、私たちができる支援は惜しみなく提供したいと思います。
大切なことは「意味付け」です
社内広報で、重要なこと。それが何かといえば、ワタシは「意味付け」だと思っています。たとえば…。自分たちの会社はなぜ存在しているのか、なぜこの目標を立てたのか、なぜこの企業を買収したのか、なぜ組織構造を変更するのか、等々。
よく「腹に落ちた/落ちない」という会話がありますが、その境にあるものが何かといえば、意味がわかったかどうかなのではないでしょうか。
しかし、いざ意味を説明しようとすると、実際の意味はシンプルさの対局にある。だから、現実に即していろいろなことを説明しようとすると、複雑になりすぎて、失敗するのです。本当は、その複雑さに対して、潔く割り切り、シンプルにさせることが重要なのです。
…と、エラそうなことを書いてしまいました。ここで書きたかったのは、当事者は潔くなれないもの(ワタシもそうでした)、だからこそ私たちは、潔くどう伝えるかを進言する存在でありたい…ということです。
そんなわけで…
さて、今回は、当社の歴史的恥部についても書きました。でも、今いる社員も、元いた社員も、グラスルーツが好きだと思います。あれほど、苦しく、イヤな体験をしたにもかかわらず、です。それは、恐らくワタシの妄想や幻想ではありません。グラスルーツには、「gr_gr」(グラスルーツ・グラデュエーション)という卒業生のメーリングリストがあるのですが、今でもそこに自分の近況を語る報告が送られているからです。元々、すごく熱血な会社でもなく、かといって、クールな会社でもありません。でも、「うちの会社はこういうのを大切にしているよね」というのを共有できている/いたからこそ、「絆」と呼ぶのはこそばゆいような、自然体な絆のようなものが存在するのだと思います。そして、そこにワタシは誇りを感じています。今回も、ある社員が自分の目指す方向に向かって一歩前進するために、当社を退職することになりましたが、ワタシもその人の今後を応援したいと思いますし、その人もまた今後の節目節目で「gr_gr」に近況を伝えてくれるのではないかと思います。
グラスルーツは、そんな会社です。
そんな会社に興味を持って応募していただけたら、幸いです。どうぞよろしくお願いします。