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「フェアである」ということ

顧客満足度の高さで知られるリッツカールトンのホームページを見ると、「モットー」という項目の中に次のような記載があります。

http://corporate.ritzcarlton.com/ja/About/GoldStandards.htm
ザ・リッツ・カールトン ホテル カンパニー L.L.C. では「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」をモットーとしています。この言葉には、すべてのスタッフが常に最高レベルのサービスを提供するという当ホテルの姿勢が表れています。
 

「紳士淑女」とは異なりますが、ワタシが大切にし、しばしば社内でクチにするのは「フェア」という言葉です。「フェア(fair)」を辞書で引くと、「公正な,公平な; 正当な」とか「自己の感情・偏見・欲望などに左右されず公平な」などの意味が出てきます。また「フェアプレー」という言葉では正々堂々とプレーすることと受け止められているかと思います。
 

ワタシが「フェア」という言葉を使うときには、本来の単語「fair」の拡大解釈も含めて、かなりいろいろな意味合いを込めています。

ひとつは、辞書にあるように公明正大ということになるのですが、では公明正大とはどういうことなのでしょう? 

ワタシにとっては、まずは「自分にうしろめたいことはしない」ということ。会社のクレジットカードを使う時も、「フェアであるか?」といちいち自問するような律儀な性格なのです。だから、お客様に100万円の予算があると聞いても、70万円でできるときは、70万円の見積もりを切りますし、それを実施しても効果がないと思われるときは、実施することを勧めません。
もちろん、それだけではありません。たとえば、問題が起きたとき、何かのせいにしたり、誰かのせいにするということを人間はついしてしまいますが、そんなときちょっとしたうしろめたい気持ちになって、心がザラザラします。自分もどこかしら悪かったと考えることができれば、よほど楽になれるのに、いろいろな邪念にとらわれてしまうのですね。そういう意味では「フェア」は自分に対しても、人に対しても、「素直である」という意味を含んでいます。ワタシ自身、いつもできているとは言えませんが、とても大切にしたいことのひとつです。

また、フェアには、金銭欲や物欲、権力欲、妬みやそねみなどの「欲望や感情に支配されない」ということも入ってきます。たとえば、社長である自分だけが高いお金を得られれば良いと思うことはフェアではないし、その反対に社員の中に権利だけを主張して責任を果たさない人がいたとしたら、それもフェアではないのです。自分の損得勘定だけで動くのも、フェアとは言えません。
感情に縛られないこともフェアの条件ですが、固定観念にとらわれて物事を決めつけたりしないこと、偏見にとらわれないことも、ワタシの中では条件のひとつになります。

さらに「相手によって態度を変えない」というのもフェアであるかどうかの基準になります。相手の地位や財力、能力などによって、見下したり、へつらったりするのは気持ちの良くないことです。お客様でも協力会社の方でも、先輩後輩でも、お互いに敬意と思いやりを持って接する態度でいたいものだと思います。

では、なぜワタシは「フェア」でありたいか、考えてみました。それは「フェア」は信頼関係を長持ちさせる上で重要だと思うからなのです。そして、その信頼の相手先には自分も含まれています。自分を信頼できないのに、人との信頼関係など築けるはずはありませんから。

ここまでを読み返すと、まるで人格者であるかのようなことを書いてしまいましたね。まったくもって人格者ではありませんが、理想主義者ではあるのだと思います。そして、その理想と格闘しながら、自分にダメ出ししている毎日です。

さて、今週は4日間。どうぞ良い1週間を!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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