[2013.01.07]
「考え」が「言葉」になり、それはやがて「運命」を形作る 〜 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
少し長めの正月休み、皆さんはいかがお過ごしでしたか。私は実家に帰り、両親と過ごしました。休暇も3日も過ぎてくると、退屈するものです。ケーブルテレビは父に独占されているので、仕方なくiPhoneで映画をダウンロード(レンタル)して小さな画面で観ることに。iPadで観た経験はありましたが、iPhoneで観たことはありません。さすがに、ちょっと厳しかった。。。
借りたのは、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(原題:The Iron Lady)です。その中でとても心に響く台詞があったので、紹介させていただきます。
ストーリーは、サッチャーの晩年。夫デニスに先立たれ、認知症を煩いながら、過去を回想するというもの。この映画で、メリル・ストリープは第84回アカデミー賞主演女優賞に輝いていますが、その期待を裏切ることなく、演技と役作りはまさに圧巻でした。大画面で観たかったです。
ストーリーの後半、医者が「気分はどうか?」と尋ねるシーンがあります。
それに対し、「最近の人は、どう感じるかばかりを重視するけれど、どんな気分なのかなんて聞かないで。何を考えているかを聞いてちょうだい」というような意味の言葉を返した後、こんな台詞を言います。
考えが言葉になり、言葉は行動に、行動は習慣に、
習慣が人格になり、人格は運命を形作る。
Watch your thoughts; they become words.
Watch your words; they become actions.
Watch your actions; they become habits.
Watch your habits; they become character.
Watch your character; it becomes your destiny.
真実だな、と思います。
考えを深めるということは、人の運命を変える力があるのだ、と。そして、曖昧模糊としていた考えも言葉によってクリアになっていき、さらに深い思考を生み出します。言葉というのは、思考を深め、行動につなげる、いわばツールのようなものなのかもしれません。
ところで、この台詞は、日本ではサッチャーの父親の言葉であったとか、マザーテレサの言葉であると紹介されていることが多いようですが、海外ではFrank Outlaw等、別の人物の言葉として広まっているようで、原典が何であるのかは正しくは不明のようです。
さて、今年のグラスルーツの年賀状コピーは次のようなものでした。
Think deeply, Talk simply.
深く問い続け、語るときはシンプルに。それが、伝わるメッセージ。
グラスルーツは、今年も伝わるメッセージの設計をお手伝いします。
毎年恒例の社内コピーコンペでスタッフの大吉の案に決定したのですが、映画の台詞の文脈で読み直すと、なかなか奥の深い良いコピーだったと思います。
年賀状メッセージの通り、「Think deeply, Talk simply.」を実践していく一年にしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。