なぜ「企画」はわかりにくいのか?
今日は「企画」の話…です。
「企画」という行為を原理原則で体系化したい…と思う今日この頃
元々ワタシはマニュアル嫌いなのですが、歳を取ると、なぜか物事を体系的に整理してまとめておきたいという欲求が強くなってきます。
マニュアルは嫌い。でも、原理原則は大好き。そういう志向で、「企画する」という行為を体系化して、企画で悩んでいる人の役に立つようなコンテンツができないだろうか、と考えています。
当社は、「企画に強い」ということを自認しているのですが、とは言え、新たな人が入ってくる都度、OJTで教育してきました。体系化して教えることができたら手っ取り早いことはわかっているのに、それをやっている時間がない…と言い訳をして、後回しにしてきたとも言えます。
社歴がもっとも古いNさんが、かれこれ10年ぐらい前にワタシに聞きました。
「オノさん、『企画』っていったい何ですか?」と。
要は、見よう見まねで『企画書』を書いているけれど、果たして自分はその本質がわかっていると言えるのか?ということだったと思います。
当時なんと応えたかは忘れてしまいましたが、これは、とても素直な良い「問い」でした。
普通の人は、見よう見まねで作って、提出したものが通ってしまうと、そこで疑問を抱かなくなります。でも、本質がわかっていないと、毎回不安に陥り、精神衛生上良くありません。あるいはその反対にこんな感じでやればいいのだと自己肯定した場合は、「こんな感じ」以上にならないままそのやり方で突き進んで行きます。
さて、アマゾンで「企画力」で検索すると、2,395件、「企画書」での検索では560件の書籍があることがわかります(もちろん、全部が的を射た書籍とは言えませんが)。ワタシも若い頃に立案者の立場でそういった本を手に取りましたし、また最近では社員にどう教えるかという立場で何度か手に取ったことがあります。でも、「刺さる本」にはなかなか出会えません。20代のワタシが当時知りたかったことをまとめたら、少しは役に立つのでは?という気持ちから原理原則をまとめたくなったような気がします。
なぜ「企画」はわかりにくいのか?
「企画ってナニ?」
多くの人は、そんなモヤモヤを抱きながらも、声に出さずにいるような気がします。
たとえば、これまでにウチの会社にいた社員との関わりの中で、人が「企画」と対峙したとき、どこで迷い悩むのかを振り返ってみると、こんなふうに整理できます。
1.プレッシャーがあるなど、企画者の「ココロ」の問題
2.企画立案プロセスにおける企画者の「スキル」の問題
3.企画以前の「ビジネスコミュニケーション」の問題
4.企画プロセスにおける「チームコミュニケーション」の問題
さらに、たとえば1番の「プレッシャーがあるなど、企画者の「ココロ」の問題」を紐解いただけでも…。以下のように、いろいろな意識が邪魔をしているのです。
(1)企画は「斬新」でなければいけないという気持ちが働いて、
頭に浮かんだことをすぐに否定してしまう。
(2)締め切りに遅れたくない想いから、企画書の構成を先に考えて、
それを埋めて行こうとしたが、うまくいかなかった。
(3)具体策は先に思いつくのだが、ロジックで考えたわけではない。
根拠が後付けなのはいけないのではないかという後ろめたさがある。
(4)立てた企画がいい企画なのかどうか、常に漠然とした不安がある。
(5)マーケティングデータにもとづかない企画は説得力がなく、
自分もいい企画だと思えないし、相手からも思われない気がする。
(6)任せられた責任や体面から一人でやり遂げたいのだが、
一人で抱え込んで訳がわからなくなった。
(7)マーケティング的に考えなくてはと思うと、苦手意識が働いて、頭が硬直する。
はい、モトイ。
「企画ってナニ?」
「それは、壮大であって、シンプルなもの」
ワタシは、あらゆる企画は(たとえば誰かの誕生日パーティの企画であっても、商品開発の企画であっても、社内報の企画であっても)本質的には同じだと考えています。それについては、また今度。
来月、7月24日に社内報の企画のセミナー&ワークショップを開催します。
お楽しみに!