女性ワーカーの今後、日本の今後
参院選挙が終わりました。ねじれが解消される結果になったようです。
それにしても、投票率はまたまた下がりましたね。国民が平等に選挙権を得るようになるまでに、とても大変な歴史があったのに…。こうやって当たり前になってしまうと、こんなにも低い。週末に、映画「レ・ミゼラブル」を観たので、よけいにそのように感じました。
さて、数週間前に、「おもしろかったので、どうぞ」というメモとともに、日経ビジネスのコンテンツのコピーがワタシの机の上に置いてありました。あるスタッフからです。記事は、安倍政権の女性政策に関する対談でした。ネット上にいつまでアーカイブされているかわかりませんが、リンクを張っておきます。
「3年育休は女性をダメにする」
「女性役員を増やさないと日本は滅びる?!」
安倍政権は、労働人口の減少という問題に対して、女性が働きやすい環境を作るということで対応しようとしています。記事を引用すると、安倍政権で掲げられているのは、次の4本です。(出自:本年4月19日の日本記者クラブで行われたスピーチ)
1)「3年育休」の実現。3年間抱っこし放題での職場復帰支援
2)5年で待機児童ゼロとする
3)子育て後の再就職・起業支援
4)全上場企業で役員に1人は女性を登用
日経ビジネスのその記事では、「3年育休」はナンセンスで古い施策だと指摘していました。長い育休よりも、復職してから柔軟で多様な働き方を実現する方が良い、と。
安倍さんは「子どもが3歳になるまでは育児に専念したい」という女性が3割いるから、3年間抱っこし放題にすると言っているけれど、実は「3歳になるまで」の理由は
抱っこしてやりたいという価値観ではなく、職場が長時間労働が前提になっているため、復帰できないということであったり、夫が長時間労働にあり、育児サポートを頼めない…からだ、という主張でした。
ワタシは、日経ビジネスのこの記事の主張について、共感できる面もあれば、クエスチョンな面もありました。
そして、そういうことも含めて、個人的に思うことを書きます。
育児について、女性はみんなこう思っていると十把ひとからげにして決めつけるのは、間違っているような気がします。「女性はピンク色が好き」「女性は緻密な仕事が得意」という決めつけと似ています。女性がピンク色が好きというのは、いったい誰が言ったのでしょうか?
現実世界では、同じ女性でもいろいろな価値観があります。3年育休を好ましいと思う人もいれば、一刻も早く復帰できるための制度を求める人もいる。その意味で「多様な働き方」という方向性に時代は向かって行くのでしょうね。
そういう理想に対して、当社のような小さい会社でもできることは何だろうと、考えさせられました。加えて、その記事を改めて読みながら、政治基盤を強めた安倍政権が、「女性はみんな抱っこし放題」を望んでいるわけではなく、いろいろな価値観があるのだと、有権者の声を正しく聞いてくれるといいなと思います。
また、ワークライフバランスという文脈も重要ですが、男性ばかりがすべてを決める構造のまま進んでいって、国際競争力を保てるのかという疑問もあります。率直に言って、人口の半分は女性なのですから、このままでは置いて行かれると思います。
安倍政権には、女性を生かす社会を目指して、がんばってほしいと思います。逆差別にならないように配慮しながら…。映画「レ・ミゼラブル」で感じた心象と、参院選の結果。そこから、いろいろなことを考えてしまいました。