祝・東京五輪2020〜プレゼンの素晴らしさ
東京オリンピック2020、決定しましたね! 東京でオリンピックが開催されること自体にとても興奮しましたが、IOCでのオールジャパンのプレゼンテーションの素晴らしさにも本当に感動しました。テレビだけでなく、YouTubeも含めて何度も見てしまいました。また、プレゼンに出なかった方たちのロビー活動にも想像を越えた努力があったはずで、心から敬意を表したいと思います。
プレゼンを見ていて、特に感動したのは次の2点です。
第一は、プレゼンテーションを担う一人一人が、自分の持ち味を生かしながら、しかも、戦略的に役割分担がなされていて、何をメッセージとするべきか、その絞り込みと表現がチームとして素晴らしかった。被災支援への感謝、おもてなし、スポーツの力、オリンピック精神、レガシー(遺産)、インフラ等々。もちろん話す人が個人で考えたのではなく、練り込まれた結果であることは間違いありません。
聞き手の心理を周到に分析し、限られた時間の中で何を語るべきか、どう語るべきか、相当に吟味されたはずです。
第二は、プレゼンに向けて、その裏では血と汗がにじむようなトレーニングがあったはずだということです。それは、当初はあまり上手だとは言えなかった猪瀬知事のプレゼンに代表されます。プレッシャーを乗り越えて、素晴らしいパフォーマンスを見せた彼らの努力に、感謝と拍手を贈りたいと思います。また、日本人が抱いていた自国民へのイメージ、それは「あー、うー、もごもご…」というものであったり、シャイであったり、表情に乏しかったり…。それが、今回のプレゼンを通じて、みごとに払拭されたのではないでしょうか。笑顔で、堂々としていて、それ自体を誇らしく感じた人は多いと思います。
これは、個人でいうところのセルフイメージを変えるのと同じで、日本人の一人一人の「日本人である私」というイメージを変えた画期的な出来事だったのではないかと思います。そして、これはスポーツの世界で日本人が金メダルを取る過程に似ています。誰かががメダルを取ると、萎縮から抜け出し、人が後に続くというような。
これらの2点はビジネスでのコミュニケーションでも役に立つもの。大いに参考にしたい事柄です。
最後に、福島の原発問題について、安倍さんに本当にあそこまで言えるの?と懸念を感じた人も多いのではないでしょうか。実は、率直に言って、ワタシもそう思って、逆に心配になりました。また地震が起きるかもしれない、そうしたらどうなるのか…とか。でも、その後、いろいろ考えてみて、リーダーは「断固やる」という意思を示してこそリーダーであるのかもしれないと思い直しました。ある意味、安倍さんは負ったのです。その真剣さを信じたいと思います。
7年はおそらくあっという間でしょう。東京に暮らす私たち一人一人が、世界の人々に感嘆してもらえるような「お・も・て・な・し」を体現するオリンピックにしたいものですね。