国名・国旗を変更する勇気〜カザフスタンとニュージーランドの動きから
いよいよソチオリンピックも後半に入ってきました。ワタシは、ついつい深夜まで、日本選手の活躍を見てしまいます。羽生選手の金メダル、葛西選手の銀メダル。いずれも快挙でしたね。本当に素晴らしい。今週は、19日と20日の深夜に女子フィギュアスケートがあります。浅田選手は、6種類の3回転ジャンプを8回行うという女子の中では「神の領域」とも言えるような構成でチャレンジするという話もあるようです。ぜひベストを尽くしてほしいものです。
さて、先週、日経の一面「春秋」を読んでいたら、カザフスタンのナザルバエフ大統領が国名の変更を、ニュージーランドのキー首相が国旗変更を提案していると書かれていました。国名の変更はもちろん、国旗の変更も、実施すれば歴史に残る出来事になるでしょうね。それを言い出すとは、両国の首脳とも勇気があるなと思います。
それにしても、おもしろいのはその変更理由に共通点がある、ということ。
カザフスタンのナザルバエフ大統領は、「スタン」で終わる国がいくつもある中で、「スタン」のついた現在の国名では特徴が感じられずに、魅力が伝わらないと考えているようです。確かに、中央アジアには、「スタン」のつく国がたくさんあります。調べてみたら、「〜スタン」というのは「(〜民族)の土地」を意味するペルシア語で、旧ソ連時代にカザフスタンも含め「スタン」がつかなかった国々が、ソ連崩壊後に名称を変更したようです。
ソ連時代 ソ連崩壊後
カザフ共和国 → カザフスタン共和国
タジク共和国 → タジキスタン共和国
ウズベク共和国 → ウズベキスタン共和国
キルギス共和国 → キルギスタン共和国 → キルギス共和国
トルクメン共和国 → トルクメニスタン
確かに、これだけあるとイメージがだぶりますね。「モンゴルは末尾に『スタン』とついていないから外国人に魅力的なのだ」と大統領は提案理由について説明した(らしい)と書かれていました。そして、候補名は「カザフエリ」。カザフ語でカザフ人の土地の意味だそうで、カザフスタンと意味自体はまったく同じ。でも、その音からして、何だか個性豊かな魅力的な国に感じるから不思議です。
一方のニュージーランド。国旗のデザインがオーストラリアと識別しにくいことを変更の理由に挙げているようです。実際に見比べてみると間違い探しをさせられているような気分になります。イギリスに占領されていた時代には、両国は1つの連邦と見なされていましたが、イギリスから独立するときに別々の国になりました。しかし、国旗は占領当時のままとしたために、イギリスの影響を受けた国旗がそのまま残ったようです。(ニュージーランドの国旗を見る)(オーストラリアの国旗を見る)
これを企業に置き換えると、国名変更は社名変更、国旗変更はシンボルマーク変更でしょうか。
いずれも自分たちらしさや自国認識/自社認識に深く関わると同時に、外に向かって魅力を伝え、他と区別して覚えてもらう上で重要な要素ですね。改めて「アイデンティティ」の重要性を痛感しました。