「ブランディングとは?」を一刀両断に語ってみました
こんにちは。
あっという間に4月。新年度の第1回です。
けれど、「だから新年度ネタで…」というわけではなく、今日は、つい先日、お客様からのご要望で行ったブランディング勉強会を通じて感じたことを書きます。
いただいたご要望というのは、社内報でブランド特集を組むに当たり、ブランディングに関するレクチャーを行ってほしいというものでした。
こんなとき何をお話するかは正直いろいろ迷います。というのは、ブランディングというのは、1冊の本になるくらい、重い内容だからです。書店にいけば、すでにいろいろな専門家がいろいろな切り口で語っていることがわかります。特に今回のケースでは、ご担当者はブランディングに関するセミナーなどにも参加して勉強されているというお話だっただけに、よけいに何をお伝えすればいいのか、ちょっと迷いました。
しかし、結論から言うと、常日頃感じていることを、話の幹にさせていただきました。どういうことかといえば、「簡単に言うとどういうこと?」という問いかけに対して、一刀両断に応える、そう割り切ったのです。なぜ、そう割り切ったかといえば、ブランディングの解説では、いろんな言葉が反乱していますが、「簡単に言うとどういうこと?」というのが、イマイチわからないからです。ブランドプロミスとか、ブランドコアとか、クレドとか、提供価値とか…。情報は豊富にあるのに、簡単に言うとどういうこと?の問いに応えてくれるものがない。その分、抽象的な、あるいは概念的な印象になっており、初心者(つまりは、すべての一般社員)にとって、とってもわかりにくいことになっていると感じます。
とはいえ、ワタシ自身、そういった様々な専門家の知見から自分なりのブランド論を築いてきたので、先人の知恵を尊敬こそすれ、否定するつもりはむろんありません。それに、ワタシごときが、先人の長年の知見を「それは丸めていうとこういうことです」と一刀両断に語ってしまっていいものか、、、という躊躇は常にあります。それでも、そういう割り切り方をしなければ、レクチャーをお引き受けする意味がないと思い、敢えてシンプルに語ることがワタシの使命だと受け止めて、「丸めて」お話させていただきました。
勉強会のタイトルは、「なるべくカタカナ用語を使わないブランド勉強会」としました。ブランディングという概念自体がアメリカから入ってきたものなので、カタカナ中心になるのは致し方ないのですが、それでも敢えて「カタカナ用語を使わない」を掲げて、「一言で言うと…」にチャレンジしてみたのです。
ワタシは、ブランディングをわからなくさせている主な要因は、多くの場合「ブランディングとはこういうもの」という本質を語る際に、発信者(ブランドを確立したい人)のための「戦略」としてブランディングが語られたり、発信者の「心構え」としてブランディングが語られているからなのではないかと思っています。もちろん、それは必要なことではあるのですが、ブランドを確立したい人がブランディングについて最初に知りたいのは、ブランディングが「できている状態」と「できていない状態」のその境目に何があるか、なのではないでしょうか。
そこで、ワタシは今回の勉強会では「ブランドが成立しているとはどういうことか?」というテーマで話をさせていただきました。ワタシの見解では、「ブランドが成立している状態」とは「〜と言えば、○○○」と多くの人が思っている状態ということになります。そして、「〜といえば」の「〜」の部分にブランド側の思惑通りの言葉が入っていること、つまりは思われたい像と思われている像を一致させること、それがブランディングの本質だと思うのです。一致した形で、「〜と言えば、○○○」と思ってもらえていれば、それはとてもいい形でブランドになっていると言えます。
また、ブランド力が高くなればなるほど、「〜と言えば、○○○」の「〜と言えば」の幅が広がっていきます。事業の本筋のところでの「〜と言えば」もあれば、「環境といえば」「ユニークな雇用形態といえば」「デザイン性が高いといえば」など、「強み連想」される領域は増えるようになります。
つまり、、、理想のブランディングとは、「〜と言えば、○○○」という連想の方程式を可能な限り増やすことと言ってもいいかもしれません。
ブランドというのは、奥が深いので、ワタシのこの丸め方に異論を唱える方がいても当然です。でも、ブランドプロミスやら、ブランドコアやら、提供価値やらと言われるよりも、潔く削ぎ落として、シンプルにこう言われる方がわかりやすいはず。そう信じて、このブログを発信します。
ブランド論以前に、それが何であれ、難しいことや複雑なことを「わかりやすくシンプルに」。そのために当社は存在しているんだなと、つくづく思います。