コムズカシイことを、やさしく伝える
あなたは、「マーケティング」という言葉に対し、どのようなイメージを持っていますか? イメージとしてよく言われることをキーワードで表すと、「数字」「カタカナ用語」「調査や分析」「ロジカルシンキング」「フレームワーク」等々を思い浮かべる人が多いようです。
アメリカから入って来た概念なだけに、確かにカタカナ用語は多いですよね。しかも、3Cとか4Pなど、アルファベットを使った専門用語も多いです。だから、慣れないと、話を聞くたびに頭の中で辞書変換しないとついていけない...ということになり、だからこそマーケティングはコムズカシイという印象になっています。
なぜ、今、このようなことを書くかというと、10月13日(月/体育の日)に、ある人と、マーケティング系のワークショップを開催します。今日は、そのお知らせではなく、その打ち合わせをする中で感じたことなどを書きます。
そのワークショップは、コーチやカウンセラーなど、自分が商品になっている個人事業主向けのもの。ワタシにとっては、ビジネス的な意味合いで取り組んでいるというよりも、ワークショップを「恊働」してつくる「プロセス研究」であり、現在、参加しているリーダーシッププログラムの一環として取り組んでいます。つまり、当社のビジネスとは直接的には関係のないテーマ/ターゲットなのですが、「協働的リーダーシップ」というものを学ぶために行っています。
ワークショップの大筋の方向性は;
起業したばかりの人に対し、自分を語る言葉(=キャッチフレーズ)を持つことは自分のビジネスを支える土台を作ることであると伝え、実際にそれを作ってみる...というようなものになりそうです。
と、簡単に語ってみましたが、自分を語る言葉(=キャッチフレーズ)を作ろうとすると、「ターゲティング」とか、「ポジショニング」など、マーケティングの概念を理解しないと作れないし、それを省いて作っても意味がありません。
しかも、この「ターゲティング」「ポジショニング」だけでも奥が深いのに、キャッチフレーズを作ろうとしたら、「ベネフィット」は何かなど、そういう概念も出てくる。このカタカナのオンパレードの世界に、普通の人は辟易するのではないでしょうか。実は、このプロジェクトのチャレンジの一つはそこにあります。いかに、コムズカシイことをやさしく伝えるか、です。
というのは、多くのマーケティング系のセミナーは、「その専門用語を理解しなさい」というのが基本スタンスになっています。
でも、大学の専門教育ならいざしらず、マーケティングを一般の人に教えたり伝えたりする立場の人のスタンスとして、その考え方は不親切です。極論を言えば、専門用語を使わずに大切なことを伝えられたら、それがベストではないでしょうか。
もしかしたら、「その専門用語を理解しなさい」というスタンスがまかり通ってしまうのは、その方が伝達者が権威者でいられるからなのかな、とも思ってしまいます。
ま、実際はそんなことはなく、知っていることをただ知っているままに伝えると、専門用語のままになる...というだけなのでしょうけれど。
コムズカシイことをやさしく伝えるためには、ワタシはハートとスキルの両方の問題があると感じます。
ハートの問題というのは、言い換えれば、自分が権威者でいることよりも、「なるほど、やってみよう」と多くの人が思うことの方を大切にするという考え方に立つことです。
スキルの問題というのは、やはりやさしく噛み砕いて伝えるには、事の本質がわかっていないとできないし、とてもハイレベルな力量が必要だということです。
私たちのこのプロジェクトでは、ハートの問題は最初からクリアされていますが、「コムズカシイことを、やさしく噛み砕いて伝える」というスキルの問題は教材開発的な意味合いもあり、かなりのチャレンジになります。
なぜ、このチャレンジをするかといえば、コムズカシイことをコムズカシイままに伝えたとしても、価値はないと思うからです。当社のセミナーでも同様の姿勢を貫いていますが、今回もその姿勢でチャレンジしたいと思います。
詳細が決まったらお知らせします。10月13日(月/祝日)午後、千代田プラットフォームスクェアで開催します。乞うご期待!