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発信の技術〜2つの「つまり...」のスキル

あなたは、自分の考えを文章などで人に伝えようとした時、どのような手順で考えていますか?


最近、「つまり...」と考えるスキルが、情報発信(特にメッセージ発信)ではとても重要だなと感じます。でも、このスキルを習得するのは、簡単なようで、実はとても難しいですよね。当社の「文章構成力講座」でも、このスキルを磨くための演習を行っていますが、参加者の皆さんからは、重要性を再認識したという感想が多く聞かれます。こうやって毎週ブログを書いているワタシ自身もこの「つまり...」にいつも悩みますし、「ヨシ!」と思って書き終わることは、実はそんなに多くありません。


「つまり」という言葉は、「簡単にまとめると...」「一言で置き換えると...」などの意味ですから、一般的に言えば、「まとめ方が重要」というふうに聞こえるかもしれませんが、ここで言うのは、実はまとめる前の「思考法」としての「つまり...」についてです。


書き言葉であれ、話し言葉であれ、人が何かを発信するのは、発信すること自体が目的ではなく、伝えたい内容を、相手の心に、こちらの意図通りに届けることが目的です。そのためには、自分が伝えたい考えやメッセージは何なのかを明らかにする段階と、それを明らかにした後に、どうしたらわかりやすく相手に伝わるかを考える段階の両方で、「つまり...」とシンプルかつ分かりやすく整理することが必要になります。この2段階に分けてシンプル化する思考法が、何かを発信する時にはとても重要なのですが、実際には言うは易く、行うは難しです。


なぜ、そんなに難しいのでしょう。
まず、最初の「つまり...」の段階(自分の考えを明らかにする段階)で、なかなか考えがクリアにならないからです。自分の頭の中でクリアになっていないものを、相手に分かりやすく伝えるのは不可能です。そして、自分の考えがクリアにならない原因は、2つあります。


第一は、多くの場合、抽象概念のまま考えていることによるもの。たとえば、お客様満足について伝えたいとして、そこで伝えたいお客様満足とは具体的にどんなことなのかを明らかにせずに、ただ単にお客様満足という言葉を使っている。考えの掘り下げ不足から来ると言うこともできます。


第二は、端的なメッセージに落とし込んでいないからです。


仮に自分の考えがクリアになったとして、相手に伝えるための「つまり...」の段階にはどのような問題があるのでしょうか? 最大の問題は、相手の立場に立って「つまり...」と考えなければ、わかりやすく伝わらないのだ、という認識を持っている人が少ない、ということです。認識を持っていないがために、相手の立場に立たず、自分の伝えたい順で伝えてしまうのです。その結果、たとえば、それが何かを伝える前に、なぜそれが重要かを力説してしまう...ということが生じます。


2つの段階に分けて、「つまり...」と考えるクセをつけることで、伝えたいメッセージは届きやすくなります。文章やプレゼン資料の作成時には心がけたいものですね。



PS:友人と共同で、10月13日(月祝)にワークショップを開催します。一言で言えば、独立したばかりのプロコーチ/カウンセラーを対象とした、「自分を伝えるキャッチフレーズづくりワークショップ」です。キャッチフレーズも「つまり...」と絞り込む発想でないとつくれませんね。詳細は「こくちーず」でご案内しています。ご興味がありましたら、ご覧ください。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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