安直な『ポジティブ・シンキング』はいらない
今日は、メルマガの紹介を兼ねて、今日配信のメルマガをそのまま掲載します。というのは、前回ブログで紹介した内容とも関わりが深いからです。
メルマガのコンセプトは「視点発見」。リーダーや社内のコミュニケーションをよくする立場にある方に対し、ご自身の考えを深める糸口を提供できればというスタンスで綴っています。そういう意味では、直接的なノウハウ提供という色合いは濃くありません。今日のメルマガは、題して「安直な『ポジティブ・シンキング』はいらない」。一見前向きに聞こえる振る舞いの中にも、単に安直な行動というのがあるのではないか、という問題提起です。「読んだよ!」クリックの先にあるコンテンツも、好評です!
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私はメルマガ以外に、ブログも毎週書いているのですが、
先週のブログで「仕事は楽しいかね?」という書籍を紹介しました。
https://www.grassroots.co.jp/blog/monolog/2015/02/150223.html
この書籍は、物事を成功させるために、目標から逆算して計画を立てるのではなく、
『遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る』
『試してみることに失敗はない』
...を推奨するもので、それは私の人生観とも共通点があると書きました。
しかし、、、、
今日は一読すると真逆とも思われそうなことを書かせていただきます。
一般的な意味での「ポジティブ・シンキング」へのアンチテーゼとして。
言い換えると、「とにかく、やってみる」とか、
「今までこうやって乗り越えて来たから、きっと大丈夫...」など、
前向きな姿勢であるというだけで、美化するのは考えものだという視点からです。
「ポジティブシンキング」といっても、定義は曖昧ですが、
一般的な解釈としては、こんな感じ↓ではないでしょうか。
「難しい」「大変」「無理」「どうせ」とネガティブに考えずに、
前向きな姿勢で物事に取り組む、あるいは
逆境に直面しても、それはチャンスだと捉える...
「ポジティブシンキング」とは、そのように前向きに考える姿勢そのもの。
もちろん、行動しなければならない時に、
考えすぎてしまって、足がすくみ、一歩前に踏み出せない人に
「とにかく、やってみようよ」と励ますことは必要かもしれません。
また、何かを決断しなければならない時に、
「今までこうやって乗り越えて来たから、きっと大丈夫...」と
自己暗示をかければ、決断できることがあるのも事実だと思います。
でも、そういう発想を頼みにしている人に限って、
考えることを放棄していることが多いような気がするのです。
人間には想像力があり、
「どうしたら、より上手くできるか」を考える能力がある。なのに、
「とにかく、やってみよう」だけで始めてしまうのは、なぜなのでしょうか。
「どうしたら、より上手くできるか」というのは、仮説を持つとイコールですが、
「とにかく、やってみよう」で始める人には、仮説がありません。
言い換えると、「意図」もなく、行動しているにすぎません。
なのに、それを「行動力がある」といって賞賛するのは、
私は、違うなと思います。あなたは、どう思いますか?
また、新しいことを始める時や大きな選択をする時、
「今までこうやって乗り越えて来たから、きっと大丈夫...」だと思うことは、
私にもあります。自己暗示として有効だからです。
でも、それだけでなく「もっと良い方法はないか」とか
「今、変えるべきことがあるとしたら、それは何なのだろう?」
と考える方が、より良い方向へ変わって行けます。
もし、過去を否定する(=自分を否定する)のがイヤだから、
「今までこうやって乗り越えて来た」と肯定しているなら、
より良い方向に変えて行くことはできませんよね。
で、それが本当に成功体験だったとしても、
それにしがみついているだけだったとしたら、
それはポジティブシンキングでもなんでもないと思います。
どうせチャレンジするなら、ただ闇雲にするのではなく、
クレバーなチャレンジをしたいじゃないですか。
どうやったら上手くいくのか、
自分の思考が過去の経験にとらわれすぎていないか、
ちょっと考えてみる。ちょっとで、いい。
考えすぎる必要はない。
【Think】して【Try】する。
そのバランスが、実はとても重要な気がします。
※読んでいただきありがとうございました。
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成功しても、成功に甘んじることなく、「もっと」という感覚を持ち続けた
松下幸之助さんの言葉に学びませう。