ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

コミュニケーションが良いって何だろう?

150511_communication.jpg


 最近、社内で議論していることがあります。それは、そもそも「組織内コミュニケーションが良い状態とはどんな状態なのか?」、それをどう定義づけるかについてです。組織内部のコミュニケーションの構造は、組織の中に縦横無尽に張り巡らされた蜘蛛の巣のようなもの。ただし、その中でも理念やビジョン、方針というものは、どっしりと中心に座っている、そんなイメージがあります。「何が」「どうなっていると」「良い状態なのか?」。私が勉強不足なのかもしれませんが、すっきりわかりやすい体系というものにいまだ出会えていません。


 一般に、社内広報部門が担う組織内コミュニケーションは、情報発信的な「1対多」のコミュニケーションを指すことが多いように思います。けれども、組織内コミュニケーションの良い状態というのは、社内広報担当だけで作っているのではなく、1対1のコミュニケーションと、1対多のコミュニケーションの絡み合いの上に成り立っているといっても過言ではありません。ですから、「組織内コミュニケーションが良い状態」を定義づけるときも、1対多のコミュニケーションだけでは規定できず、1対1のコミュニケーションについても触れないのはおかしいのではないか、、、と、私は今、そんな視点からこの問題を眺めています。


 しかし、そもそも「コミュニケーションが良い状態」を普遍的に定義づけることができるのだろうか?という疑問もあります。たとえばですが、ホテルのエレベーターの中。海外に行くと、「Good morning!」とか「Hi」と声をかけられることがあります。でも、日本のホテルでそういう風景はあまり見かけません。どうするとコミュニケーション的に心地よいかの感覚が、そもそも違うからだと思います。だとすると、「絶対的な良い状態」を規定することはできるのでしょうか。これは「幸福とは?」を規定する作業に似ていますね。でも、だとすると、できるのかもしれませんね。


 また、今、企業が人材に求める「コミュニケーション能力」というのも、意外にも曖昧なのではないか?...と、そんなことを思ったり。ロジカルシンキングとか、プレゼンテーションスキルとか、グローバルなコミュニケーション能力などの重要性は誰もが認識しているところではありますが、そもそも何をもってコミュニケーション能力があるというのか、実はすっきりした共通認識はないのだと思います。

 リーダーシップとコミュニケーション能力の関係性についても同様です。当然、関係していると誰もが思っていますが、そもそも広い意味での「コミュニケーション能力」とリーダーの「コミュニケーション能力」は区別されるべきなのかどうか。


 この問題意識は、私自身のもやもやから始まりました。グラスルーツはコミュニケーションの会社。なのに、「コミュニケーションが良い状態」の定義を持たず、お客様ごとに問題の捉え方を変えて行っていいのだろうか、、、と。これは、結構難しい問題で、永久に悩むかもしれません。でも、今の段階で私が思っていることを書くならば、一般論は置いておいて、私たちグラスルーツが描く理想の「コミュニケーション」をまず定義づけるべきなのかな、と、そんなふうに思っています。


いやぁ、「コミュニケーション」というのは、日々耳にする言葉で、わかったような気持ちになりやすい言葉ですが、実はとっても奥が深くて、一言では語れない言葉ですよね。本当は、今日は「わかりあえないことから」(著:平田オリザ)というコミュニケーションに関する本を紹介しようかと思っていたのですが、私の現在地報告というか、問題意識の紹介で終わってしまいました。でも、これ、とても重要なテーマだと思います。お互いにわかったような顔をして「もっとコミュニケーションを図ろう」などと言う前に、そもそもそれが何なのかを議論することが先決なのですよね。その骨太なテーマ(多分、永遠のテーマ)について、私たちグラスルーツは、おごそかに、かつ、熱く語り合える会社でありたいと思いを新たにしました。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

社長メッセージを見る >>

これまでの記事

視点発見の旅
メルマガ【開-CAY】お申し込み

ご一緒に「視点発見の旅」へ!
メルマガは「開-CAY」で届きます

詳細を見る >>

「個人情報の取り扱いについて」

このページのトップへ