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言葉の壁(6)〜「要求」は具体的な行動がわかるように

先日、土曜日に青山学院主催の講座「企業研修におけるワークショップの活用方法を探る」に行ってきました。これは、同大学が社会人向けに提供している「ワークショップデザイナー育成プログラム」の参加者募集活動の一環として、開催されたものだと思われます。講師は、演劇家でもある内山巌さん。演劇的発想を取り入れたワークショップのデザインや参加者に心的負荷をかけないワークの方法などが紹介され、とても面白かったです。そして、改めてワークショップというのは奥が深いなあと痛感しました。


では、今日配信のメルマガをシェアさせていただきます。


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NVC(Nonviolent Communication)について考える「言葉の壁」シリーズ。
前回は、自分の感情を自分の願いと紐づけて伝えることの大切さを考えました。
今回のテーマは、NVCの第4の要素である「人への要求」です。

NVCの基本の流れは、自分に葛藤を与える他人の言動について、
評価や判断を交えずに「観察」に基づいてシンプルに語り、
自分の「感情」を相手のせいにせず自分のものとして述べ、
その感情を抱くのは自分にこんな願いがあるからだと語り、
最後に具体的な「要求」をする、というもの。


ところが、その「要求」。次のような状況が生まれたりして、簡単ではありません。


【1】そもそも要求が必要だという自覚がないから、要求しない。
【2】自分の要求が、自分自身でよくわからないために、
   曖昧な表現になってしまう。
【3】上手な「要求」ができず、「強要」や「命令」になってしまう。


そこで、今日は【2】の曖昧な表現について、例を挙げながら考えましょう。


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曖昧表現(1)「〜しないでほしい」という伝え方
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「〜してほしい」と「〜しないでほしい」は、どちらも要求に見えますが、
ここで重要なことは、相手に行動を促す要求でなければ、
意味がないという点です。


休日も仕事をしている夫に、「仕事ばかりしないでほしい」と妻が言ったら、
夫はゴルフに行ってしまった、本当は一緒に過ごしてほしかったのに...
というシャレにもならない話は、身近なところにたくさん転がっていますよね。


職場でも、たとえばこんな伝え方をしているシーンはないでしょうか。
「目標を一方的に与えるのは、やめてほしい」
「報告をしないまま帰らないでほしい」
「状況を把握せずに仕事を振るのはやめてください」


あなたが、もし上のように伝えられたら、どう思いますか?
「やめてほしいことはわかった。
では、具体的にどうしてほしいの?」と思いますよね。


「目標を一方的に与えるのは、やめてほしい」という意味は、
「自分で決めさせてほしい」かもしれないし、
「一緒に相談して決めさせてほしい」かもしれません。


ですから、具体的な行動がわかるように、
肯定的な言葉で要求することが望ましいのです。


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曖昧表現(2)「抽象的で大雑把」な伝え方
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肯定的な言葉を使っていても、わかりにくい場合があります。
たとえば、次の3つの表現を読んでください。
どんなことをしてほしいのか、わかりにくいですよね。


「昨日の話し合いについて、思っていることがあれば、言ってほしい」
  (思っていることと言われても、どんなこと?)
「課長、もっと私を信頼して、仕事を任せていただけませんか?」
  (信頼していないとでも?)
「この商談について、もっと頻繁に相談してほしい」
  (相談の必要があれば、しますけど...)


これを、求める行動内容がわかるように具体的表現で言い換えると...


「昨日の話し合いでの私の進め方について、
 変えてほしいと思う点があったら、聞かせてほしい」
「この商談は、課長の助言なしで自立的にまとめさせてくれませんか?
 報告は怠りませんので、どうしてもマズい状況との判断でない限り、
 私が自分の判断で交渉を進めるのを、どっしり構えて見守ってほしいのです」
「この商談は、当社にとってとても重要な案件なので、
 先方と接触があった都度、内容を報告してほしい。
 どう進めるか、あなたの意見を聞かせてもらい、判断させてほしい」


これで相手が期待している行動が、前よりわかるようになりました。


いかがでしたか? 
結局、わかりやすさがいかに大切で、
以心伝心に頼ったり、独りよがりではダメってことですよね。
自分の望みを明確にすればするほど、望みは叶いやすくなるそうです。
自分が、何を望んでいるのか、クリアにする習慣をつけたいものですね。


さ、今週も元気に行きましょう!


※読んでいただきありがとうございました。
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今回は、「キンコーズ」を創業し、世界的なチェーンへと育て上げた
ポール・オーファラのこの言葉です。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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