言葉の壁(8)〜共感されたいのは、男も女も同じ
今日配信のメルマガの内容をシェアさせていただきます。共感を生む「聞き方」についてです。
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男性脳と女性脳は違うという話、時々、耳にしますよね。
そのために、妻はただ話を聞いてほしいだけで解決を求めていないのに、
夫は解決策を助言しようするから、話が噛み合ない...とはよく言われることです。
今回は、「話を聞く」という側面からNVCを考えてみましょう。
本連載「言葉の壁」のバックナンバーはこちらをご覧ください。
https://www.grassroots.co.jp/blog/monolog/cat11/nvc-1/
男性と女性に限らず、同性同士、親子、上司と部下、友だち同士など、
さまざまな関係の間で、話をする人と話を聞く人のシーンが生まれます。
例えば部下の立場から上司に話をした時に、
実はただ聞いてほしかっただけなのに、
過剰な助言や励ましをもらってしまい、
違和感を感じたという経験はないでしょうか?
あるいは上司の立場で部下に話をした時に、
ただ本音の話をしただけのつもりだったのに、
部下が自分の立場や気持ちを話を始めて、
意外な反応が返って来たと慌てた経験はありませんか?
NVCでは、共感を持って聞くことの重要性が説かれていますが、
共感するとは、いったいどのようなことなのでしょう?
「共感」という言葉、よく使う割には、説明できなかったりしますよね。
ここでは、このように定義しておきます。
共感する:自分以外の人の気持ちやそれが生じる源になった経験に対し、
敬意を持って理解すること。
これを、さらにNVCに即した原理原則に言い換えると...
相手が何を観て、
何を感じ、
その背景にある願いは何で、
何を要求したいのか、を引き出す聞き方をすることで、
相手が自分の気持ちを表現しやすいようにし、
自分は、その表現された心情に寄り添っていくこと、
と、こんなふうに表現することができそうです。
ところが、私たちが話の聞き手になっている時、
実際にはこんな反応をしていないでしょうか?
「...したらどう?」「...した方がいいと思う」(アドバイスする)
「あなたの例など大したことはない。私なんて...」(上手に出る)
「ここから...を学ぶなら、これは意味のある経験になるだろう」(教え諭す)
「あなたのせいではないよ。あなたは出来る限りのことをした」(慰める)
「それを聞いて思い出したことがある。私はかつて...」(自分語り)
「くよくよしても始まらない。話を変えよう」(話を切る)
「なんて可哀想なんでしょう...」(同情する)
「それはいつから始まったんだ?」(尋問する)
「電話しようと思っていたんだけど...」(説明する)
「それは事実とは違うよ」(まちがいを正す)
私の経験でも、相手を慰めようとしてしまったり、
励まそうとしてしまったり、助言をしてしまったりすることがあります。
でも、これは、実はNGなんですね〜 ちょっとびっくりしませんか?
たとえば、次の会話の中で、共感を持って接していると言えるのは、
どれでしょう?
- - -(1)- - - - - - - - - - - - - -
A なぜあんな失敗をしてしまったのか、悔やまれる。
B あなたはベストを尽くしたんだよ。そんなに気にするな。
- - -(2)- - - - - - - - - - - - - -
A あなたは常に自分が正しいと主張する。何様のつもりだ?
B 他の解釈の仕方があることに、私に気づいてほしいのね。
- - -(3)- - - - - - - - - - - - - -
A あなたは、私がそれをするのが当然だと思っているんでしょ?
B それは、違う。私は当然だなんて思っていない。
- - -(4)- - - - - - - - - - - - - -
A こんなに体重が増えて、イヤになっちゃう。
B ジョギングでもすれば?
(1)は励まし、(2)は共感、(3)は否定と弁明、(4)はアドバイスです。
つまりNVC的な共感を持って聞く聞き方は、この例では(2)だけです。
いずれのBの受け答えも、悪気はありませんし、
相手の気持ちに寄り添いたいという意識は感じられます。
けれど、結局、最初の夫と妻の会話の例に戻るとわかるのですが、
相手は、励まされたいわけでもなければ、否定も弁明もされたくなく、
アドバイスだって求めていないことがある、ということなのです。
相手の感じ方をコントロールすることは、誰にもできないってことですね。
さて、相手に共感してほしい欲求。
女性だけにあるわけではないと、私は思いますが、皆さんはどう感じましたか?
伝えることも難しいですが、聞くのも難しいですね〜
でも、原理原則がわかれば、トレーニングして慣れるだけだとも言えます。
今週も、素敵なコミュニケーションでいっぱいに! 良い1週間でありますように!