伝わらないのは、なぜ?
あっというまに今年も師走。
来年のことを考え始めている方も多いのではないでしょうか。
私は、来年、こんなイメージのことをやりたいと考えています。
★「伝える技術」の体感習得ワークショップ
〜大切なことはすべて部下から教わった〜
そこで、今回は「伝わらない」原因について考えたいと思います。
実は今、あるコミュニティでアンケートをしています。
「伝える」ときの悩みで、どれが一番大きいかについて意見を聞いています。
(1)「何を」伝えるべきか(自分の考え)が整理できない
(2)「どう」伝えたらいいかわからない
(3)相手の反応への不安が先立って、伝えることを躊躇してしまう
あなた自身は、どうですか?
あなたの周りの人は、どうでしょうか?
伝わらないときの原因として、何を自覚している人が多いでしょうか。
本当の原因はどこにあるのでしょうか。
今のところ、「すべてあるし、時と場合による」という声が多く、
それでも一つ選べと言われるなら、
「『どう』伝えていいかわからない、が一番大きいのでは?」
というコメントが多い印象です。
書き言葉と話し言葉で多少違いがあるものの、
こう感じる人が多いのはうなづけます。
伝える行為の出口にあるのが、伝え方(話し方、書き方)なので、
その行為で戸惑うと、そこに壁があると感じるのが普通だからです。
でも、その前に、こんなふうに思っている人もいるかもしれません。
伝わらないのは、相手に原因がある、と。
昔、私が部下と話して伝わらないシーンに出くわすと、
本当は自分の方に原因があるのに、
なんでわかってくれないんだろう、と思ったものです。
相手が悪いとまでは言わないものの、
自分に原因があるとまでは思っていない状態です。
コミュニケーションがうまく行かない場合、
どちらか片方にだけ原因があるということはなく、
両方に原因があるでしょうけれど、
まずは発信者側が謙虚であることが大前提だと今は思います。
で、先ほどの(1)(2)(3)はどれも原因になりうるのですが、
「何を」伝えるべきかがクリアになっていないと、
「どう」伝えるべきかは考えようがない、という関係にあります。
また(3)の「不安」は(1)思考と(2)行動に影響を与えますし、
「何を」と「どう」に自信がないとき、「不安」に陥るという関係です。
私の経験では、自分が発信したことが伝わらない時、
大抵は自分の考えがイマイチ明瞭でない場合が多いです。
特に話し言葉の場合、意思を示している体裁をとって話しているものの、
実は曖昧なことをしゃべっているな、と思うこともあります。
そんな場合、モワっと終わって、結局何も伝わっていないことがわかります。
そもそも伝えるという行為は、伝わることを期待してするもの。
伝わるというのは、伝えたことが相手に影響を及ぼし、行動や反応があること。
ということは、単に自分の意思を示すだけでなく、
相手に何を期待するのか、要望することが伝える行為には不可欠です。
ところが、意外にそこが認識されていないのではないでしょうか。
特に、謙虚で遠慮がちな人は、要望しない場合が多いように感じます。
汲み取ってほしいというオーラを出す人もいます。
要望が伝えられないと、
相手は今言われたことを承知しておくだけでいいのか、
なんらかの行動を求められているのか、
何のために言われたのかがわからなくなり、
「つまり、なに?」という気持ちになってしまいます。
これは、どういう問題かというと、
要望したいことが伝える側の頭の中で明らかになっていないわけで、
「どう伝えたらいいかわからない」のではなく、
「何を伝えるべきかがわかっていない」状態です。
しかも、このときに不安心理も影響している場合があって、
要望すると相手を困らせ、嫌われるのではないか、という思い込みから
最初から考えない傾向にある人もいます。
要望というのは、「何を伝えるべきか」の要素の1つです。
では、他にはどんな要素があるのかと気になりますよね。
長くなりそうなので、次回に回します。
グローバルコミュニケーションなんてことが叫ばれる今日この頃、
相手への要望をしっかり伝えられる人になりたいですね。
その方が相手もストレスを感じないような気がするな。
では、良い1週間を!