○○も△△も「手順」が大切
早速ですが、仕事の話です。下の穴埋めワードに、あなたなら何を入れますか? 一般的には2つが両立すると価値になると思われている言葉です。
○○も△△も「手順」が大切
ここでの正解は、「品質」と「スピード」です。「品質」を満たそうとすると、仕事の丁寧さや正確さ、慎重さが求められるので、「スピード」は遅くなる方向に作用しがちです。反対に「スピード」を早くしようとすると、丁寧に正確に慎重にすることが損なわれて、それが結果として「品質」を落とすことにつながります。
これは、製造業もサービス業も概ね同じではないでしょうか。だからこそ、この二律背反の問題を両立させ、そのバランスが良い場合、しかも常に均一である場合に、それは価値だと思われるのですよね。その価値の追求のために、製造業では技術革新が起き、サービス業ではビジネスモデル革新が起きます。わかりやすいかつての例を挙げれば、飲食業界にセントラルキッチンとマニュアルを持ち込んだことで外食産業になったり、家まで荷物を届けることで運送業が宅配業に変わったり、、、がそれです。これらのケースでは「利便性」などの価値まで追求されて、時代を変えるような大きな革新となりました。
こういうことは、プロセスの研究なくして実現不可能です。だから「手順」を明らかにすることが大切です。担当する人物によって「品質」と「スピード」が変わらないようにするためには、どういうプロセスにするといいのか。どんなプロセスだと、最高の「品質」と「スピード」が実現できるのか。そのプロセスが規定されているから、適切なトレーニングもできるし、「品質」や「スピード」が落ちた場合に原因を探れます。
もちろん○○シェフの料理が食べたいと思ってお客様がやってくるレストランでは、そのプロセスはシェフの頭の中にあり、何もわざわざ規定して共有する必要などないかもしれません。スタープレーヤーが稼ぐビジネスモデルは、スタープレーヤーの存在自体が価値なので、敢えて品質だ、スピードだという必要がない、というのが一般的な見方です。
では、グラスルーツを経営する私が目指すものは? それは、当然「組織として」価値あるサービスを提供することです。会社であるというのは、そういうことだと思っています。ですから、属人度100%でない形で、グラスルーツの価値を生み出し、サービス品質を均一に保とうとしたら、プロセス研究とその徹底が不可欠だと受け止めています。まったくもって、簡単ではありませんが。
簡単でない一番の理由は、既製品を提供するわけではないソリューションビジネスでは、個別に状況が変わるので、「答えの標準化」はできないからです。そして、私たちのような業界の多くの人も、それを理由に属人的なサービスをヨシとしてきたのだろうと思います。
しかし、一方で、どんな問題でも、その解決にはやはり原理があり、原理に基づく手順というものがあります。極端な例ですが、問題を特定せずして解決できないわけですから、問題を特定するということが手順の中に入っていなければなりません。
...と、熱く語ってしまいましたが、ソリューションビジネスでありながら、どこまでサービス品質を高く均一に保つか。そこに私たちはチャレンジしています。
さて、この「手順」というもの。結構、あちこちで活躍するんですな。あなたの仕事をより良くしようとする場合も、そうですし、リーダーが部下に何かを伝えたい場合のコミュニケーションにも、シンプルな「手順」があります。次回になるかどうかはわかりませんが、そんなことも書いていこうと思います。
月曜日がお休みだった方は、短い1週間になりそうですね。今週が終わると、もう1月も後半。慌ただしいですが、今週も良い1週間をお過ごしください!
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