「オープン」は個人と組織の成長のキーワード
先日、私と当社の現社員、元社員の3人でランチを食べる機会がありました。
8年前まで当社にいたその方は、当時生まれたお子さんが8歳に。
子どもの教育に話が及び、「花まる学習会」のことが話題にのぼりました。
思考力や応用力を高めることに重きを置いた勉強なのだそうです。
急成長しているためか、最近はマスコミから叩かれたりもしているようですが、
保護者の間での評判は良いのだとか。
思考力や応用力をもった人材といえば、まさに企業が求める人材です。
もっと言えば、何歳になっても自ら成長できる人材を
企業は欲しているのではないでしょうか。
これは、とても奥が深い。
スキルなどの能力開発だけで成長を考えるのと、
人間力を含めた成長を考えるのとでは、教育観が異なってきます。
私個人は、スキルも大切ですが、人間力の方がより重要、という意見です。
というのは、いくらスキルに長けていても、
人間的な魅力に乏しいと、「この人と仕事をしたい」と思ってもらえず、
チャンスに恵まれなくなり、
結果として成長できないという悪循環を生むからです。
その人間力、養うのは簡単ではありません。
スキルは、努力する姿勢と行動があればなんとかなりそうですが、
人間力は努力や行動だけ伸ばせるものではありません。
その人が「オープン」でいる、「柔軟」でいるなど、
「あり方」があってこそ初めて伸ばせます。
どういうことかというと、
「オープン」に受け入れる気持ちがあるから、
人から自分一人では気づけないフィードバックをもらうことができ、
「柔軟」でいるから、素直に受け入れて自分を変えることができる。
まず単純にそういう好循環が「何歳になっても成長する」ために必要です。
また「オープン」に人に意見を述べるけれども、
自分の意見に固執せず「柔軟」であるから、
意見や助言を求められるようになり、信頼の貯金ができる。
それが新しい体験へのチャンスを生み出す。
さらに「オープン」である人は、他人に助けを求めることができるから、
周囲は協力を惜しまない。
ところが、、、、
この「オープンでいること」について、世の中は矛盾に溢れています。
企業は人間力のある人材を求めながら、
オープンに発言することをよしとしているでしょうか。
会議では若手からベテランまで発言しやすい雰囲気があるでしょうか。
本音なんて言ってはいけないと誰もが思っているのではないでしょうか。
つまり、オープンであることを是としない組織が、
オープンさを必要とする人間力のある人材を求めている、
という矛盾があります。
風が吹けば桶屋が儲かる式にいうと、
個人はオープンでいないと、人間力が養えない。
人間力が養えないと、仕事のチャンスが減り、個人的成長ができない。
組織の風土がオープンでなければ、個人もオープンになれず、
組織は活性化せずにイノベーションも起きないから、組織的成長ができない。
...であるのに、組織も個人もなかなか「オープン」に近づけません。
私自身は何歳になっても成長したいという思いから、
「オープン」でありたいと願っている人間ですが、まだ序の口。
とはいえ、そのおかげで成長できた面は多々あります。
ですが、それは手厳しいフィードバックと向き合うことでもあるので、
素直に受け入れるけれど、必要以上に傷つかないなど、
「オープン」でいるためのマインドセットはまた別に必要ですね。
早いもので1月も残すところ2週間。
どうぞ良い1週間をお過ごしください!