フィードバック上手〜福原選手と石川選手の素敵なシーンから
リオ五輪、日本選手は目覚ましい活躍をしていますね。
とても元気をもらいます。
いろいろな競技がある中でも、私は女子の卓球、特に福原愛選手に注目しています。
というのも、子どもの頃から注目された彼女も、今は27歳。
個人シングルでメダルを取ってほしいなと思っていたのですが、残念でした。
団体戦では、4歳下でエース格の石川選手と12歳下の伊藤選手と共に準決勝に進出。
8月15日にドイツと決勝への試合をします。
さて、その団体戦の準々決勝(?)の石川選手の試合で、
面白いシーンを見ました。
それは、ゲームの合間のシーンです。
相手に押されていた石川選手に対し、監督よりも、
むしろ福原選手たちが積極的にフィードバックしていたのです。
内容はわかりません。
でも、ラケットの面を示しながらのものでした。
NHKの解説でも、選手がフィードバックしていることに触れたほど、
それは何かとても良いシーンに見えました。
私は、フィードバックというのは、
上下関係なく必要なものだし、
上下関係なくできる組織こそが強いのだろうなと思っています。
また、理想で言えば、ネガティブフィードバックもポジティブフィードバックも、
コソコソやらず、堂々と愛情込めてできたら素晴らしいと思っています。
でも、実際にはなかなかそうできないのが、人間社会というものですよね。
それに対し、卓球の女子団体戦では、
フィードバックする方もされる方も伸び伸びとしていて、
目的を最優先するからこそお互いにそれを了解し合っているように見えて、
とても好感が持てました。
理想的なフィードバックというのは、
本当に相手のことを思ってするもの。
愛あるフィードバックであることを、
する側もされる側も信頼しているものだと思います。
でも、その信頼基盤がないと、ただの批評や批判にしか聞こえず、
受け止めることができませんよね。
2年前に私が参加した、あるリーダーシップ養成プログラムでも、
お互いにフィードバックし合う場というのがありました。
感情的に受け止めないというのがルールですが、
やっぱり後で聞くと「あのときは感情的に受け止めてしまった」という
声がちらほらと。
その反発心には、
「お前に何がわかるんだ、お前には言われたくない」もあれば、
「え、違うよ、違うよ、そんなつもりはないよ。それ、誤解だから...」もあれば、
「け、また言われた。なんで? 別に普通にしてるだけなのに...」もあるようです。
つまり、フィードバックがうまく機能するかどうかは、
そもそも聞く人が、聞く気持ちになれているかどうかも関係あるんですね〜
で、その聞く気持ちがない人とか、
言ってもスルーする人には、人はなかなかフィードバックしてくれません。
そりゃそうですよね。
良かれと思ってしたフィードバックなのに、
反発されたり、スルーされたら、トホホ...ですからね。
フィードバックするスキルの前に、されるスキル(というか人間力)、
大切ですね。
フィードバックするスキルに関して、最近のマネジメント教育では、
ネガティブフィードバックをするときは、
先に良いことを言ってからにしろ...というのがあるようですが、
私はそれには懐疑的です。その理由は、
・一番いいたいことが、どっちであったのか伝わらない。
中には、良いフィードバックだけを受け止めてしまう人がいる。
・悪いフィードバックをするために、良いフィードバックをしていることを
相手は動物的に察知するので、あざとい印象になり、信頼関係の妨げになる。
相手を傷つけたくないという心理は、言い方を変えると、
自分が悪者になりたくないという心理でもあります。
でも、本当に信頼し合えていれば、悪者にならないと思えるはずです。
もちろん、場とタイミングの問題もありますし、
まだ信頼関係がない段階では、
実際に、良い事柄とワンセットで言われることで、
だからこそ受け入れる気持ちになることもあるから、
一概には言えませんけどね。
福原選手と石川選手は、
憧れる・憧れられる関係から、ライバルへと関係が変貌し、
今でこそ実力的な地位は逆転しつつも、尊敬し合うチームメイト。
そんな関係の中で、フラットにフィードバックする姿が、
とても素敵だと思いました。
私たちも、ビジネスでのフィードバック、上手でありたいものです。
やっぱり信頼関係と素直さだな...。
試合を見ながら、そんなことを考えさせられました。
リオで戦う選手たちを応援しながら、
今週もがんばって行きましょう!