《対話をスルー》するリスク
東京都の小池都知事、がんばっていますよね。
私は、小池さんになってから、時々Youtubeで定例会見を見るようになりました。
オリンピック問題や豊洲市場の問題について、
小池さんは「東京の問題は日本の問題」と述べています。
つまり、合意形成のプロセスが不透明で、
責任の所在があいまいな状況は、
単に東京都で起きているだけでなく、日本中で起きている...
そんな問題提起だと思います。
実は私も同じようなことを感じています。
組織内コミュニケーションにおける多数の小さな問題は、
根っこではつながっていて、
一つとは言わないまでも、少数の大きな問題である場合が多いです。
小池さんが挙げた日本で起きている問題の根っこにあることの1つは、
私は、人々が《対話をスルー》していることだと思います。
企業などの組織内会議はもちろんですが、
地域コミュニティや学生サークルなどの場面においても、
積極的に発言する人が極めて少ないと聞きます。
なぜ、そうなってしまうのか。
別に意識調査をしたわけではありませんが、
会話ベースの情報から推測する限り、理由は2つです。
その1。思ったことを発言して、イヤな思いをしたことがあるから、
発言したくなくなった。
その2。思ったことを発言すると、波風が立つような気がするから、
波風を立てる当事者になりたくない。
理由は何であれ、皆んなが、そうやって対話自体を避けてしまうと、
そりゃ合意形成は形だけになり、他人事になるに決まっていますよね。
当然、誰も結果にコミットせず、責任の所在も曖昧になります。
さて、、、伺います。
あなたは自分の子どもに、
対話の場で積極的に発言しても損するだけだから、
黙って聞いていればよい、と教えますか?
発言せずに、黙って聞いて、
後になって自分は知らないと言う態度。
これは、グローバル社会に向かう世の中の動きに逆行します。
その態度を続ける限り、
いくら英語が話せようが、通用しないですよね。
そんな日本人ばかりになるとどうなるか。。。
10年後には役職者は外国人ばかり。
絵空事ではなく、極めてリアルです。
《発言する》=《波風を立てる》
まず、この思い込みを捨てることが重要なのではないでしょうか。
社会には違う価値観の人が大勢いる。
その前提で、どうお互いを認め合いながら、合意をどうつくるか、
そういう発想での行動が求められていると思います。
「日本よ、いったいどこへ行く?」と思う中で、
最近、希望が持てる出来事がありました。
偶然ですが、似たような問題意識に基づくご依頼案件が3つあり、
今月、同時にプロジェクトとしてスタートします。
社内コミュニケーションの問題を明らかにしながら、
最終的には社内広報や社内報のあるべき姿に収束させる...
そんなプロジェクトで、
私たちはファシリテーター兼コンサルとして参加します。
共通するのは、問題をオープンに議論したいという意欲に富み、
個々のモヤモヤする気持ちを放置せずに、
対話を通じて合意形成しながら、問題解決に臨みたいと志向している点です。
いずれも、誰かが勇気を出して、対話の場を作ろうと声を上げました。
こうした行動が社会のいろいろな場で起きていくと、
日本はもっと変わると思います。
そして、対話を設計したり、活性化させるファシリテーターを
もっと育てる必要がありますね。
私に何ができるか、自問しています。
さて、10月も後半。
今週も良い1週間をお過ごしください!