負の感情のエネルギー、どう使う?
いきなりですが、4月15日(土)から16日(日)まで、
青山一丁目のギャラリーで「別れ」をテーマに言葉と絵の個展を開きます。
言葉と絵の展覧会「別れのお別れ会〜流転(ruten)」
今日は、それに絡めて負の感情とそのエネルギーの話をさせてください。
私たちの社会では、喜怒哀楽のうち、
怒と哀の感情はネガティブなものとして、
否定される傾向にあるのではないでしょうか。
怒ってはいけない、
憎んではいけない、
それらは醜い感情だ、
そう教えられて育ちます。
波風立てない関係を求める最近の風潮ともあいまって、
怒りの感情がどのようなものか、味わったことがないという若い人も増えています。
けれど、負の感情は、本当に悪いものでしょうか。
感情的に振る舞うことは、確かに良くない面がありますが、
負の感情を抱くこと自体は人間として自然なことです。
それをきちんと感じることが心の健康にとって、大切ではないでしょうか。
自分を大切にするというのは、本来そういうことではないかと思います。
にもかかわらず、人が負の感情を無意識になかったことにしようとするのは、
その感情の中に居続けることが辛すぎて耐えられないからなのだろうと思います。
だから、蓋をして、気づかなかったことにする。
しかし、そういうことを続けていくと、
やがて死に直面しても悲しいと感じないだけでなく、
自分が何に対して楽しい/好きと感じるのかも、感じられなくなっていくそうです。
喜怒哀楽の、怒と哀にだけ蓋をしていたつもりが、
喜と楽にも知らず知らずに鈍くなって、感じられなくなっていくのだそう。
これでは、まるでロボットです。
私たちが、負の感情は悪いものと教えられてきたのは、
自分をコントロールできずに怒鳴り散らしたり、
泣きわめいたりすると、周囲を困らせることになるから、良くない、、、
多分、そのような道徳的視点からのことなのではないでしょうか。
あるいは組織の中では、「理」を最優先とする価値観を維持しないと、
統制がとれなくなる...という暗黙の合意のようなものがあって、
感情から話をすることは是とされない、と
誰もがそう思っているからかもしれません。
けれど、負の感情にも良い面がたくさんあります。
まずは、エネルギーの絶対値がとても高いということ。
このエネルギーを上手に活用すれば、
創造的な行動、挑戦的な行動につながるのではないでしょうか。
青色発光ダイオード(LED)の開発で、
2014年にノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏は、
「偉い人たちに『お前は金の無駄遣いしやがって!』と。
けちょんけちょんに言われ頭にきて、、、、」と
怒りをバネにしたと述べています。
実際に怒りが創造性に良い影響を与えるという実験結果もあるようです。
実は、私の今回の展覧会も、始まりには悲しみや怒りがありました。
怒りは、時によっては神に向けられたり。。。
そうこうするうちに、怒りの矛先が自分に向いてきた。
もっとこうすれば良かったとか、
なぜああしなかったのか、とか。
その後悔の海の中にいたとき、
別れによって人はこんなにも自分を責めるんだな、と気づきました。
けれど、それは違うなと。
そうしたら、それを人に伝えたくなったのです。
負の感情が正のエネルギーに変わった瞬間かもしれません。
「別れ」に直面し、心を痛めている方、ぜひお立ち寄りください。
言葉と絵の展覧会「別れのお別れ会〜流転(ruten)」
ギャラリーで、社内広報やインターナルブランディングのご相談も歓迎です!
というわけで、人の感情や気持ち、大切にしたいものですね。
え? 小野さんは会社でいつも怒りまくっているのか?
そんなことはありませんよ。
10年に1度ぐらいは机を叩いて怒ることもありますけどね(笑
さー、春らしくなってきました。どうぞ良い1週間をお過ごしください。