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「自立」と「自律」はどう違うのか?

171120_working_cat.jpg部下が伸びて行けるようにするには、自分はどう関わったらいいのか、
これは私でなくても、上の立場にある人なら、きっと誰もが考えていることです。


もちろん、私も考えます。
そこで、今回は「自立」という単語を入り口に、
育成や成長のあり方について考えたいと思います。


人の欲求の一つに「自立して仕事をしたい」というものがあります。
特に経験が浅ければ浅いほど、その欲求はとても強いのではないでしょうか。


自立して仕事をしたい。
 ↓
上司からの支援がなくても一人で仕事ができる自分でありたい。
 ↓
報告はするので、仕事を任せてほしい。


まず部下の立場に立つと、
こう思うのは、とっても自然なことですよね。
このとき、部下は、「自立」というのは、一人でできるようになること、
と思っている場合が多いような気がします。


そして、上司も、早く独り立ちしてほしいと思っているので、
自立心を持っていること自体を悪く評価する人はいないのではないでしょうか。
ところが、私の体験から言って、「一人でできる」という場合の
「できる」の目盛り合わせを十分していないと、
上司部下の双方にとって、あまりいい結果になりません。


似たような意味合いの言葉に「自立」と「自律」があります。
この2つの単語はどう違うのだろうと考えていたら、
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表の村山 昇さんという方が、
「INSIGHT NOW」でとてもわかりやすい比喩を使っていました。
数式を投げかけて、答えを出させる3つの方法とその違いについてです。
https://www.insightnow.jp/article/20


村山さんはこんなふうに違いを説明しています。


・3+5=●は、自立レベル
・●+●=8は、半自律レベル
・●+●=○は、自律レベル


右辺は、ミッション・ゴール、たどり着く先。
左辺は、それを実現させるためのプロセスや実現方法です。


自立というのは、
英語で言えば、self-standing(自力で立つことのできる)。
「3+5」という与えられたやり方を一人で実行し、
一人で「8」以上のゴールにたどり着ける。(←私の解釈です)
他に依存しないで、自分でやっていける段階ということのようです。


自律レベルは、右辺(○)も、それを実現するための左辺(●+●)も
自分で考えて、実行できる段階です。
英語で言えば、self-directing(自分で方向付けできる)。
自力で立った後は、自分が決める方向に進んでいけるということだとしています。


さて、、、、
恐らく最初の段階で部下の気持ちにあるのは、
「自立(self-standing)」の方ではないかと思います。
要は、他者の力を借りずに、自分の力だけでやり遂げたいという気持ちです。
一人前だと自認でき、他者からも認められたい、そんな気持ちでもあります。


ところが、営業のようにゴールを定量的に定められる場合は、
「8」以上のゴールにたどり着けたのかどうか、
明瞭にわかりますが、サービス的なもの、ソフト的なものは、
一目瞭然にはわかりません。
そして、「8」の状態を体験したことがなければ、
自分が「8」の状態を生み出せているのか、
自ら見極めることができないし、できなくて当然です。


ですから、「8」の状態がどんなものであるのかを、
いかにして共有するかがとても重要だということになります。
上で述べた「一人でできる」という場合の
「できる」の目盛り合わせをしておくということです。
そして、あくまで「8」は合格ラインであり、
「8以上」を目指すのだと共有された状態をつくること、
それが大切なのではないでしょうか。


ところが、これが簡単ではない。
なぜなら、そもそも「8」の状態を体験したことがない部下は、
体験していない部分を想像で補うしかないわけですから。
しかも、往々にして部下はゴールのレベルを追求することよりも、
まずは「一人で進めたい」という欲求の方が強い場合が多いです。
スポーツに例えると、「勝ちたい」よりも「試合に出たい」という感じでしょうか。


これに対する最善の答えは私にもわかりません。
でも、こんな仮説を持っています。
仮に「自立的に仕事をしようとすること」よりも
「より良い仕事をしようとすること」の方に価値があるという
共通認識が持てていたなら、
与えられている仕事の現状認識を一致させることが
大切だと思えるのではないでしょうか。
あるいは、もっとより良くするためにはどうしたらいいかという観点で
「8」のあり方について、
自然に質の高いコミュニケーションを図るようになるのではないでしょうか。
それが、目下の私の仮説です。


村山さんの話に出てきた「自立」ではなく、「自律した状態」、
つまり、自分が決める方向に進んでいける状態というのも、
結局、より良い方向に向かって進んでいける状態ということだと思います。
自律的になると、「試合に出たい」を卒業し、「勝ちたい」となる。
私は、そんな気がしています。あなたは、どう思いますか?


どうぞ素敵な1週間をお過ごしください!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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