ワクワクを邪魔するもの
前回のブログでは組織の中で課題となる「自分ゴト化」と
ワクワクの関係について考えましたが、
今日は純粋に自分のためのワクワクについて考えてみたいと思います。
今日の結論を先に書いてしまいますと、
ワクワクしたいのは自分なのに、
ワクワクに向かうことを邪魔するのも自分だという話です。
まずは私の体験から。
私の場合は「やりたい!」と思うことを発見すると、
その瞬間胸が熱くなって、カラダに力が湧いてくることを感じます。
ココロがうきうきして、らんらんらん♪という気分になります。
だから、これはアタマが計算して望んでいるのではなく、
ココロがやりたいと心底望んでいるのだということがすぐにわかります。
今現在もアート系でワクワクしていることが二つ三つありますし、
ビジネス系でも二つ三つあります。
それだけやりたいことがたくさんあると、
さらにやりたいことが心に舞い降りてきてきたときに、
「ちょっと待って、そんなにたくさんできないんじゃない?」という
内なる声が聞こえてきます。
最近もありました。
実はひと月ほど前に母が他界したのですが、
母の生きっぷりが我が母ながらに素晴らしく、
また入居していた老人ホームのスタッフの対応が
母の人生の最後7カ月を母らしく輝かせてくれました。
ちなみに母はすい臓がんで、余命宣告を受けており、
本人は延命治療はせず、緩和ケアだけを望んでいました。
その施設での7カ月間の母へのケアに対し、
本当にありがとうという感謝の気持ちを示したくて、
私はスタッフにインタビューし、
仕事への思いを綴った本を作って贈ることを思いついたのですが、
その意思表示をするのに、さっきの内なる声が出てきたのです。
「そんなにたくさんできないんじゃない?」
「10月の個展の準備だって、ほとんどできていないよね」
「そんなことをやる時間があったら、遅れている仕事をすべきじゃないの?」
「感謝といったって、そんなことをしても喜んでもらえないんじゃないの?」
「みなさん忙しいのに、そんなことで時間を取られるのは嫌なんじゃないの?」
正直なところ、その声の言うことは正しいです。
いえ、こう言い換えておきましょうか。
その声の言うことは「もっともらしい」と。
確かに私の企画は、母と関わった10数名にインタビューをし、
1名ごとに1000文字弱の記事にするというものなので、
かなりの時間を必要とします。
けれど、果たして1年後にやりたいと思うでしょうか。
答えはNOです。
今、やりたいことなのです。
そして、理由もなくやりたいことなのです。
感謝の気持ちをなぜそこまでして示したいのか、私には理由を言えません。
だからこそ、私は自分が心からやりたがっているとわかりました。
私は自分が聞いた心の声はサボタージュ(言い訳心理)であることを知っていました。
それで私は意を決して施設長に申し出をしました。
結果的には快諾されて、実現することになりました。
するとどうでしょう?
「そんなにたくさんできないんじゃない?」という不安は吹っ飛び、
この人たちと一緒にコトづくりができるというワクワク感の方が
やっぱり強く出てきました。
映画「きっと、うまくいく」ではありませんが、
私は、自分がこれもやり、他のこともやれるということを信じられています。
さて、「サボタージュ」という言葉を聞いて、
さらに調べたくなった方もいるかもしれません。
正確に言うと、「セルフ・サボタージュ」というのかな。
自分を邪魔する存在として「サボター」(心の中の妨害者)とも言うようです。
自分のやりたいことやありたいことに対して、上手な抗弁を言い、
向かいたい方向と反対方向に仕向ける悪魔の囁きをする相手です。
無意識のうちに習慣化した自分の心の動きのパターンだとも言えます。
自分が傷つかないように、リスクから逃げる「生存脳」の働きでもあるようで、
誰の心にも棲んでいます。
コーチの世界的育成組織「CTI」の前CEOシャザド・チャミン著
「スタンフォード大学の超人気講座〜実力を100%発揮する方法」によると、
サボターには次のような10のタイプがあるそうです。
・裁判官
・潔癖性
・八方美人
・優等生
・犠牲者
・理屈屋
・こわがり
・移り気
・仕切り屋
・優柔不断
今回の私のケースは、どうでしょう?
おそらく潔癖性、こわがり、優柔不断が掛け合わさっていたような感じですね。
自分を妨害する最大の相手、それはおそらく自分です。
その存在が自分の中にいることを知っていることは、
自分の行動を選択する上でとても大切ですね。
よろしければ、以前書いたこちらのブログもご参照ください。
「私たちはまだまだ成長できる...という脳科学の話」
https://www.grassroots.co.jp/blog/monolog/2015/09/150914.html
どうぞ素敵な1週間を!