ボヘミアン・ラプソディ〜何が人を魅了するのか
伝説のロックバンド「Queen」のボーカリスト、フレディ・マーキュリーを
主人公とする映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットを続けています。
11月9日に公開されましたが、
週を重ねるごとに右肩上がりで観客が増え続けるという異例の状況だそうです。
この人気はどこから来ているのでしょうか?
まるで本物のQueenを観ているかのような再現力の凄さもあるでしょうが、
今日は、改めてフレディの何が私たちを魅了するのか、考えてみました。
私は本気で謝罪したフレディの魅力を先週のブログに書きましたが、
それ以外にも私たちが魅了される理由は、大きく言って4つほどあると思います。
(これから映画を観る方は、この先を読むべきかどうかを判断してくださいね)
・信念を貫いていること
・エネルギーを出し切っていること
・一人の力を超えようとしていること
・劣等感も含めて自分を受け入れていること
信念を貫いていること
信念を貫く姿は、まず単純にカッコいいものですね。
「キラー・クィーン」が大ヒットした後、
プロデューサーは二匹目のドジョウを取りに行くことを方針にしようとしますが、
フレディも他のメンバーも「同じことはやらない」と断固として拒否し、
常識破りの6分間の曲「ボヘミアン・ラプソディ」をリリースすると主張します。
このシーンは、信じたことに向かって突き進んで行く彼の生き方を象徴しています。
でも、彼はただ強い人だったのではなく、弱い面も持っていました。
だからこそ、私たちは彼が信念を持って行動する一面に惹かれるのだと思います。
エネルギーを出し切っていること
フレディはエネルギー全開で生き、死んでいった人でした。
明日のために、今日出すエネルギーをセーブすることはありません。
そういう意味では、まるでスポーツ選手のようでさえありました。
また、この映画では、フレディのエネルギーもさることながら、
キャストたちのエネルギーの強さにも感動します。
楽器を弾いたことがない、歌を歌ったこともない俳優たちが、
全員で死に物狂いで楽器を習得し、演奏の手元シーンも自分たちで演じたそう。
キャストのエネルギーとフレディのエネルギーがダブって見えるから、
キャストの精神にロックを感じて、
観客はキャストに対しても尊敬の念を抱いたのですね。
一人の力を超えようとしていること
この映画、Queenのメンバーの多様な個性も魅力の一つでした。
フレディはバンド活動を休止し、ソロで活動を始めますが、うまく行きません。
恐らく彼は、自分一人の方が自分の才能はもっと出せると思ったのでしょうが、
スタジオミュージシャンたちが、言われた通りにしかやろうとしないのを見て、
Queenのメンバーの創造性がいかに作品作りに欠かせないか、痛感します。
プライドの高いフレディが真剣に謝り、バンドは復活。
1+1+1+1=4以上の成果を出すQueenの姿が感動を呼びます。
私も、こういう姿が自分の会社の理想だな...と感じました。
きっと組織で働いている人なら、そう感じた人も多かった気がします。
劣等感も含めて自分を受け入れていること
フレディはタンザニアで生まれたペルシャ系インド人で、
ゾロアスター教徒、同性愛者であるなど、いろいろな意味でマイノリティでした。
しかも、前の歯が出ているという容姿的な特徴などもあって、
それらに対するコンプレックスや孤独感が強かった人だと言われています。
一説によれば、楽曲「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞にある
「Mama, just killed a man」(ママ、たった今、僕は人を殺めてしまった)は
ゲイであることで悩んでいる自分自身を殺したという意味だという解釈もあります。
葛藤しながらも、自分の葛藤を受け入れて、自分のままでいようとする様子に、
私たちは、自分は自分のままであっていいというメッセージを受け取ります。
2013年公開のディズニー映画「アナと雪の女王」の辺りから、
自分らしく生きることに、人は魅了され続けているのではないでしょうか。
さて、「ロックに生きる」という言葉があります。
他人に迎合せずに、リスクに怯えずに、
自分らしく自分を信じる生き方を意味すると思います。
フレディ・マーキュリーという人はまさにロックに生きた人でした。
私も、良くも悪くも、ロック度は高いと自負しています(笑
あなたのロック度はどのくらいですか? どのくらいでありたいですか?
今週もボヘミアンな(心自由な)1週間になりますように。