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令和〜そして、美智子さまと「でんでんむしのかなしみ」

今日、平成に変わる新元号が発表されました。
「令和」
最初はぴんとこなかったのですが、
万葉集の梅の花の歌の序文
「初春の令月(れいげつ)にして、
氣淑(きよ)く風和らぎ、
梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、
蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」から引用した...
そう聞くと、とても素敵な元号に思えて来ました。
万葉集は、さまざまな身分の人々が詠んだ歌を集めていますので。
「平成」の発表の際は、昭和天皇崩御の流れからのものでしたので、
あまり明るい気持ちになった記憶がありません。
でも、今回は新しい時代が始まることに自分も含め、
社会が希望を見、ワクワクしているのを感じました。


平成は、あと1カ月で幕を閉じます。
こういう時期だからだと思いますが、
週末、NHKで「天皇 運命の物語 第4話〜皇后 美智子さま」
という番組が放映されていました。
お生れから現在までをなぞったドキュメンタリーです。


憲法で、天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴と定められていますが、
私は子どもの頃、この「象徴」の意味がよくわかりませんでした。
でも、最近はわかります。
テレビ報道などで、天皇皇后両陛下の映像を拝見していると、
素晴らしいお人柄が滲み出ていて、
自分も人としてこうありたい、少しでもこのような徳を持った人間になりたい、
そんな気持ちになります。
だから、今は「象徴」というのは日本人のアイデンティティに根ざした「手本」
を意味するのだと思っています。
けれど、生まれたときから持っていたものだけでは
あそこまでのオーラは出ないのではないでしょうか。
いえ、もちろん生まれ持った品格は当然あると思いますが、
でも、
人として、あるべき理想を描き、毎日求めて生きてこられたからこそ、
仁智溢れる何かが伝わってくるのではないでしょうか。


天皇陛下と歩み、支えてこられた美智子さま。
その人生観に影響を与えた児童文学があります。
幼少期に読んだ新美南吉の「でんでんむしのかなしみ」です。
美智子さまは、1998年に開催された第26回IBBY(国際児童図書評議会)の
ニューデリー大会基調講演において紹介しています。


その物語は、こんな内容です。


ある日、でんでん虫(カタツムリ)は「自分の殻の中には『悲しみ』しか詰まっていない」と気付き、「もう生きていけない」と嘆く。そこで友だちのでんでん虫にその話をすると「自分の殻も悲しみしか詰まっていない」と言われ、また別の友だちからも同じことを言われた。主人公のでんでん虫はやっと「悲しみは誰でも持っている」と気づく。自分の悲しみは自分で堪えていくしかないと嘆くのをやめた。


IBBYにおいて、美智子さまはこの話を次のように紹介しています。
http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/ibby/koen-h10sk-newdelhi.html


その頃、私はまだ大きな悲しみというものを知りませんでした。だからでしょう。最後になげくのをやめた、と知った時、簡単に「ああよかった」と思いました。それだけのことで、特にこのことにつき、じっと思いをめぐらせたということでもなかったのです。
しかし、この話は、その後何度となく、思いがけない時に私の記憶に甦って来ました。殻一杯になる程の悲しみということと、ある日突然そのことに気付き、もう生きていけないと思ったでんでん虫の不安とが、私の記憶に刻みこまれていたのでしょう。少し大きくなると、はじめて聞いた時のように、「ああよかった」だけでは済まされなくなりました。生きていくということは、楽なことではないのだという、何とはない不安を感じることもありました。それでも、私は、この話が決して嫌いではありませんでした。


皇太子妃として皇室に入られてから、皇后になられ、
美智子さまご自身にもさまざまなご心労があったことでしょう。
思い起こせば、バッシングを受けて、失声症となった時期もありました。
もしかしたら、そんな時は「でんでんむしのかなしみ」に
支えられたのかもしれません。


美智子さまから醸し出されているあの慈愛は、
元来お持ちだったものに加えて、
きっとご自身が人としての感情と向き合い、
ご自分を高めて来た中で培われたもののように感じます。
番組では、被災地を訪れて掛けられている言葉自体は
決して特別な言葉ではなく、ごく普通の言葉だったけれど、
その言葉とともに寄り添おうとする気持ちが尋常でなく強いことが相手に伝わる、
と紹介していましたが、本当にそうなのだと思います。


ただただ美智子さまのお人柄に敬服と憧れを抱く、
そんなブログになってしまいました。


新年度が始まりました。
気持ちをリフレッシュして、いいスタートを切りたいですね。
どうぞ素敵な1週間を!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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