『なぜ』がわからないと、やる気は起きない
心をいじられた感じの週末でしたね。
台風19号にそわそわしました。
映画でも観ながら、
家で過ごそう思っていたのですが、
スーパーの商品はなくなるし、
自分の生活圏への不安と、
TVで映し出されていく被害の状況。
いろんな人のことが気になって、
映画を観るような気分になりませんでした。
でも、台風の翌日は、
ラグビーW杯日本代表が大活躍。
様々なテンションが交錯したせいで、
少々疲れた感があるのは否めません。
でも、こんなことを言えるのは、
被災を免れたからです。
大したことができないにしても、
被災した方たちに
思いを馳せたいものです。
さて、今日は私たちにとって
「なぜ」を知ることの意義について
考えたいと思います。
きっかけは、今月の初めに私が受けた健康診断でした。
これまでは、健保組合の健診施設で
一通り受けていたのですが、
もういい歳だし、社長が突然余命宣告を受けたら、
周りに迷惑をかけるし、
いつもよりちょっと高度なオプション健診も受けようと思い、
病院での健診を受けました。
健保組合の提携先は東京高輪病院。
結論から言うと、
全般的にスタッフ教育が行き届いている印象で、
とてもいい病院だなと感じました。
さて、ここからが本題です。
胃のレントゲンで、素晴らしい技師の方に出会いました。
検査が終わって、部屋を出るとき、
「私のこれまでの人生で最高の検査でした。ありがとう」と言ったほどです。
胃のレントゲン、
いつもは健保組合の健診施設で撮ってもらっていて、
それが私にとって、ある意味標準でした。
別に特別な不満もなかったし、
これで当たり前だろうと思っていたのです。
ところが、今回の技師は本当に素晴らしく、感動ものでした!
私が感動したのは、次の4点です。
1)今からすることを説明してくれました。
「はい、では食道の写真を撮ります。
バリウムをごくりと飲んでください」
「今度は十二指腸の写真を撮ります」
目的意識が持てると、がんばろうと思えます。
2)しかも、都度都度状況説明をしてくれます。
「はい、いい写真が撮れました」
「きれいな写真が撮れました」
こう言われると、変な写真にならないように
さらにがんばろうと思えます。
3)なぜ、それをするかを説明してくれました。
「今から、胃を膨らませるために発泡剤を飲んでいただきますが、
ゲップをがまんしてください」
↑これは大抵言ってくれますよね。
でも、↓これはないのでは?
「今から、バリュームが胃の中で混ざるようにするために、3回回っていただきます」
こう言われると、「おお、そうか、
うまく混ざるように体を動かさないと」という気持ちになります。
4)進捗&現在地を教えてくれる。
「はい、あと2回です。申し訳ありませんが、がんばってください」とか
「あと2枚撮ったら終わりです」とか。
がんばって検査は受けているものの、
でもやっぱり終わりが見えないのは不安。
その絶妙なタイミングでこの声がけ。
出口が見えると、最後までしっかりやろう!そんな気分で続けられました。
この技師がしてくれたことを通じて、
私とその技師との間に協働関係が生まれたような
そんな気持ちさえ抱きました。
胃のレントゲンを撮る、ただそれだけのことなのに。
この体験、いろいろ素晴らしかったですが、中でも1番と3番。「なぜ」の説明。
私はこの大切さを痛感しました。
モチベーションや仕事観に影響を与えるなーと。
今さらな例ですが、
レンガを積む男の話を思い出します。
「ここで何をしているのですか?」と聞かれ、
「レンガを積んでいる」でもなく、
「壁を作っている」でもなく、
「人々が祈りを捧げる偉大な教会を作っている」と語るには、
この「なぜ」抜きではありえないでしょうね。
また、こんな話も思い出しました。
メルマガを共に書いている阿部、
前々職でこんな体験をしたそうです。
間違えの多いアルバイト学生に、
あなたの仕事の意味を伝え、
間違えるとどんな影響が出るかを伝え、
だから、とても重要な仕事なのだと伝えたら、
間違えなくなった、と。
人はみんな無駄なことより、
意義のあることに関わりたい。
だからこそ、
意義を伝えることは重要ですね。
社内コミュニケーションにおいて
重要なことが伝わっていない場合、
「なぜの説明が足りていない」
ということが一因の場合も少なくありません。
伝わっていないと感じたら、
「『なぜ』が伝わっているか」
という視点で検証してみるのも一考です。
今週も素敵な1週間でありますように。
ラグビー日本代表が力を出し切れますように。
では、また〜!