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テレワークは性善説で!

最近いくつかの番組で、テレワークが進み、
働きぶりの"見える化"が広がっているという報道を見ました。
私が番組で目にしたのは、
社員に自分の行動、たとえば「着席」「退席」などを
細かくボタンを押して報告させるしくみや、
社員がPCの前に着席しているかどうかをモニターで監視するといったものでした。


人事用語で言えば、「勤怠管理」の一環なのでしょうけれど、
悪く言えば、いかに社員を「監視」するかです。


そこで、今、世の中ではどんな「監視」が存在しているのか調べてみました。
上の例のほかにも、PCの表示画面を録画してモニターしたり、
PCの操作内容を記録したり、GPSでどこにいるかを監視したりと、
様々な技術によって監視サービスが提供され、
それを導入している企業があるのだと知りました。


私自身は、そうした流れに疑問を感じますが、
日本の労働基準法への防衛対策だったり、
過去のネガティブな経験からの対策かもしれません。
各社の事情がわからないだけに、ここではその賛否を論じようとは思いません。


しかし、今、働き方への価値観をリセットする時期にあるのも確かです。
「監視」をしようとする動きの根底にあるのは、
「性悪説」なのではないでしょうか。
人は放っておけばサボる、
人は自分に都合よくウソをつく、
という考え方に立っているから、
「監視」によって抑止したいという発想になるのでしょう。


では、「性悪説」の観点で見た場合、
いったいどのように働いている人が「是」とされているのでしょうか。
それは、決められた時間に決められた場所で、
コツコツとマジメに就業する人...です。


マジメな勤務態度であるかどうかが、
長い間、人の評価に大きく関わってきました。
ここで言うマジメの意味は、まさに上に書いた
「決められた時間に決められた場所で働くこと」です。
所定労働時間が8時間なのに、
7時間しか働いていないのは「非」という考え方です。


しかし、果たしてテレワークを推進しようとしたら、
そのような価値観が通用するのでしょうか?
私は、もはやその価値観を捨てて、
何を「是」とするのかを変えないことには
テレワークは機能しないと思います。


具体的には、期待通りの、あるいは期待以上の
パフォーマンスを発揮した人を「是」とするという考え方です。
でも、これ、別に新しい考え方でも何でもありませんよね。
これまでもパフォーマンスは求められていますから。


けれど、その前提には、時間と空間の約束が守られていることがありました。
その約束を守った上でのパフォーマンスだったわけです。
なぜなら日本の労働基準法がそういう考え方だからです。
テレワークを導入しながら、「監視」をしたくなってしまうのも、
ひとつには法的な背景があるのだと思います。


たとえば、企業防衛的にはこんな発想になるのでしょうね。
悪用する人が出たらどうしよう?
悪用して、本当は実体がないのに、自分は月100時間残業をさせられた...
と主張する従業員が出たら、どうしたらいいんだろう?
それも、一人や二人ではなく、みんなが水増し申告をしたら、どうしよう...。
だから、ちゃんと何らかの形でエビデンスを残すべきだ...。
こんな発想になってしまうのかもしれません。
実際、湘南にドライブに行っちゃう人が大勢いたり(笑)
「テレワーク」「サボり方」で検索すると、いろんなコンテンツが...。
だから、防衛的になるのも、わからないではありませんが、
真っ当な人にとって、不信が不信を招く悪循環が起きるのは目に見えています。


だから、今大切なのは、ある程度、
時間と空間の制約を是非の判断基準の脇に置き、
会社は、何を個々の社員に期待しているかを明らかにすると同時に、
社員がパフォーマンスを上げられるような
コミュニケーション支援をすることだと思います。


スケジュールが遅れてしまいそうな状況にないか、
質が低下しそうな状況にないか、
相談しやすい状況をつくったり、
相談されたときに「なぜ」と詰め寄らないコミュニケーションを取ること。
物理的に離れていても、それができる状況をどう作るかが大切なんだろうな、と
そんなことを感じます。


これは「監視」というアプローチでは決して生まれないもので、
「性善説」に立たないと成立しません。


でも、もちろん、簡単だとは思いません。
当社も社員に対し、成長を支援する、創造的な活動を促す、
気分を察知してサポートすることができないなどの面で、
どうしたらいいのか悩みはあります。
期待するパフォーマンスを明らかにするというのは、どういうことなのか、とかも。
また、私自身、仕事に没頭していて、相談メールへの返信が3時間後になるみたいな。
私の生産性は上がりますが、
その間、社員の生産性は下がっているのかもしれません。


テレワークには良い面も悪い面もあります。
でも、理想の働き方を考えるいいチャンスでもありますよね。
私はテレワークは「信頼」を前提とした働き方だと思います。
これは、とっても素敵なことです。


いよいよGW。Stay Homeで参りましょう!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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