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ジェームズ・ボンドは焦らなかった

先月末、初代「007」の主役、ショーン・コネリーが亡くなりました。
彼は、今に続く、息の長いスパイ映画「007」の初代ボンド役として、
その名を確固たるものにしましたが、
ボンド役を卒業して以降も、年を経るごとに味わいのある演技で、
記憶に残る俳優になっていったのではないでしょうか。
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」とか、「ザ・ロック」とか。
私自身、彼が「007」として活躍する時代をリアルタイムでは知りませんが、
テレビやビデオでショーン・コネリー扮するボンドを見たことはあります。
今見ても驚くほどに「華麗」。それが、ショーン・コネリーのボンドでした。


さて、スパイ映画はお好きですか?
私は、大好きです!
「007」「ミッション・インポッシブル」「ジェイソン・ボーン」...
その魅力は、もちろん物語のハラハラ、ドキドキにもありますが、
主人公である彼らの粘り強さとその知性、
そんなところにもあるのではないでしょうか。
絶対絶命だと思っても、ギリギリまで脳をフル回転させて、絶対諦めない彼ら。
しかも、彼らは決して焦りません。
そんな主人公が、最大の山場を切り抜けた瞬間に、
私たちは感動し、その精神力と能力に脱帽します。


諦めない。
焦らない。
...はスパイ映画の主人公たちの共通点。
そこが多分、スパイ映画のカッコ良さの本質だと思います。


さて、「焦り」について、先日、社内でこんなことがありました。
ある人が「焦り」についてみんなに質問したのです。
「仕事で焦りそうなとき、どんな工夫をしているか?」と。
この意味は、決まった時までにやらなければいけないことがあって、
でも、同時並行でいろんなことがあり、間に合うかどうか不安になって焦る...
そいういう意味のようでした。
そうすると、「『ヤバイ』『ヤバそう』と発する」「計画を練り直す」など
いろいろな声が周りから出てきます。
人は、焦らないためにいろいろな工夫をしているものですね。
それが聞けること自体、有意義でした。


私個人としては、「焦り」の本質は、「できなかったらどうしよう?」という
心理にあると思うので、
「絶対に何とかなる」という自己暗示は結構重要だと思っています。
で、実際、私は、これまで「どうにもならなかったこと」はないので、
「これまでも何とかなったのだから、今回も何とかなる」と言い聞かせます。
加えて、いざとなったらゴールのレベルも変えていいというマイルールがあります。
自分の理想が100だったとして、
時間内に100ができないと判断したら、90に変える。80に変える。
その選択は自分がすれば良い、と。
そんな私の考えも披露しました。


偉そうに話しましたが、かくいう私、苦い「焦り体験」があります。
学生時代のことです。
私はハンドボール部のキャプテンでした。
最後のリーグ戦、想定よりも戦績が悪化して迎えた相手。
互角のつもりだったのに、劣勢に。
試合の終盤、主将の自分が焦ったために負けました。
リーダーの焦る気持ちは、驚くほど場に伝染してしまうんですね。
自分の焦りが、メンバーにも伝播しているということは
試合の途中でも察知できましたが、ではどうすればいいかがわからぬまま、
立て直すことができませんでした。
その悔しさがあったからこそ、それがその後の人生に教訓を与えてくれたようで、
そこから、スパイ映画の主人公のようにとまではいかないまでも、
動じないって大切だなと思って、修業してきた感じです。


というわけで、時として私たちを悩ませる「焦り」。
それを、自分一人でコントロールできて、焦らないで済むなら、
それに越したことはありません。
でも、お互いみんな弱い人間で、時として焦るのは当然です。
そういうことを仲間と共有できて、
「今、自分は焦っているんだ」と言えたら、どれだけラクなことでしょう。
「落ち着こう」と言ってくれる人がいたら、気持ちを切り替えられるかも。
そういう言葉の発し方、
ひとつの健康的な組織のあり方ではないでしょうか。


素敵な1週間をお過ごしください。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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