すべての価格には理由がある
今日の話題は、めずらしく「お金」の話です。
タブー視する人が多いけれど、
自分なりの考えを持つべき一領域ではないかと思います。
ところが、自分の給与と会社の売上の関係を考えたこともない、
という給与所得者は、案外多いのではないでしょうか。
どれだけの売上があるおかげで、
自分のお給料は売上のどこを支えるために支払われているのかを知
モチベーションにも影響しますよね。
さて、話が横道に逸れるようですが、先月、
米国税関から輸入差し止めを受けていたという話題がありました。
ウイグル族への「人権侵害」
というのが、米国側の理由でしたが、
ユニクロの主張が通らなかったのは、食品の原材料などと違って、
アパレル業界ではトレーサビリティが確立されていないことも一因
ユニクロは、低価格・高品質という価値を提供してきた企業です。
思うことはいろいろありますが、
あの話題から、あれこれと考えを巡らせた結果、
第1に、すべての価格には理由がある、ということ、
第2に、価格以外の価値を見極める目がないと、
価格でしか、価値を判断できない人生になる、という2点です。
私もユニクロを着ることはありますし、
低価格・高品質は紛れもない価値だと思います。
でも、人生において、必ずしも「安い」
これは、ビジネスでも同じではないでしょうか。
私たちは、
潜在的に思っています。
けれども、その時に、
もう少し掘り下げて考えてみました。
実際のところ、商品やサービスには、様々な値段がついていて、
その価格がそうなった理由もいろいろです。
でも、間違いなく言えることは、それを提供している企業の
事業構造や経営思想と関係しているということ。
たとえば、
材料の調達コストや生産設備の維持費、
販売するための経費も得たい利益も同じで、販売規模も同じ。
つまり、いろいろな条件がほぼ同じであるなら、
値段も必然的に同じになるはずです。
しかし、A社は社員への教育費を惜しまず、
待遇も業界の中では上の方にしようという経営をしていて、
デザインや研究開発費にもお金をかけていたとする。
一方、B社は、コストは下げれば下げるほど価格も下がり、
それがお客様の価値になると信じて、
人にもデザインにもお金はかけない、
当然、2社の販売価格は変わってきますよね。
どちらが、良い悪いではなく、経営思想が事業構造を変え、
それが価格に結びついているわけです。
ところが、ここにやっかいな問題があります。
取引先の経営思想や事業構造がわかった上で
ビジネスをするということは、あまり多くありません。
もっというと、そこに目を向けて、
価格と関係していると考えることなど、
さらに困ったことに、私たちの業界は製造業などと違って、
より一層わかりにくさがあるように思います。
たとえば、
いただいている費用の本質は「サービス料金」です。
つまり、大半は役務の提供のための費用、
言い換えればノウハウ、サービスプロセス、時間への対価です。
印刷物などを収める案件では、
納品物(製造物)の「製造料金」
印刷物というのは、ファッションでいえば、既製服ではなく、
オートクチュールのようなもので、
相見積もりを取ったら、100万円と200万円、
「これこれで困っている、どうしたらいいだろう」と尋ねた時に、
100万円の会社は、当たり障りのない回答をし「
200万円の会社は、困っている理由を聞き出して、「
サンプルを作ってみるから、検討してください」と言う。
わかりやすく言うと、そんな違いが価格になっているわけです。
あ、もうおわかりだと思いますが、当社は価格志向ではなく、
少なくても価格で競争しようとは思っていません。
制作案件なら1時間7500円、
プロセスと工数を想定して見積もるのが通例です。
そこにも理由がありますが、長くなるのでやめておきます。
今どきはコンプライアンスという名のもとに、
相見積もりを取らないわけにはいかないと思いますが、
サービスの見積もりなら相場を調べるために見積もりだけ先に取り
予算を決めてから、
おや? いかん、いかん。なんだかビジネス慣習への不満を言い始めた(笑
結論! 何が正しいというのはありません。
要は、ニーズとのマッチングだからです。
相談しても素っ気ない対応だったとしても、
安いと思って選んだものの、不満足になる場合もある。
私は、ご相談があっても、
パートナーを紹介した方が良いと判断することもあります。
当社が不要に入ることで、求めていないサービスがついてきて、
価格が高くなってしまうからです。
すべての価格には理由があります。
すべての人が、売る側にも、買う側にもいます。
自分のニーズを明確にして、