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「引き出しが少ない」という悩みへのヒント

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いろいろな場面で若い人と話をしているときに、
「自分はまだ引き出しが少ない」と悩みの一端を聞くことがあります。
そこで今日は、「引き出しが少ない」というのは、どういうことなのか、
無垢な気持ちになって、一緒に考えて行きましょう。

まず、人が「自分は引き出しが少ない」と語る時、
いったい、その人は何をもってそう語っているのでしょうか。
すべてとは言いませんが、一つには「自分は経験が少ない」という意味で、
「引き出し」という言葉を使っている人が多い印象を受けます。

しかし、率直に言って、「引き出し」と「経験」は別物だと思います。
では、「引き出し」とは何なのか。
定義するのは難しいですが、敢えて言語化するなら、
こういうことではないでしょうか?

人生における「引き出し」とは、
これまでの体験から学習したパターンの集積地。
「引き出しが多い人」とは、
現在得た体験を過去の体験と結びつけ、
「こういう時にはこうすればいい」とパターン認識できる人。
正しいかどうかは別にして、私にはそう思えます。

実は、これ、実体験から来るものです。
人に何かを教えようとすると、学習能力が高い人と、
そうでもない人がいることがわかります。
学習能力が高い人の共通点は、自分が過去に体験したA1という出来事と、
今、目の前にあるA2という出来事の共通点を見つけ出し、
「こういう時には、こうする」
「こういうことは、こういう時に有効」
という法則を見つけて行動するのが上手な人なんですよね。
反対に、自称「引き出しが少ない人」は、それが苦手な人、
もしくはそうやって引き出しに整理していくのだと知らない人だと思います。

これをパターン認識と言いますよね。
AI(人工知能)なども、人間のパターン認識の研究のその先にあるようです。
すでにハリウッドでは、映画の脚本のパターン研究によって、
シナリオをAIに描かせようという実験も進んでいるようです。

たとえば、「イベントを告知する文章を書く」という業務を例に考えてみましょう。
前回、上司のチェックを受けたら、「開催日時は必須」であるのに、
「肝心の日時が抜けている」と指摘されたとします。
そうしたら、「イベント告知→開催日時は必須」というパターン認識をし、
次にイベント告知文を作る機会があったなら、忘れずにそれを書こうとします。
ところが、学習しようという意識が低いと、前回の教訓を生かすことができません。

この例などは、多くの人がパターンを認識しやすく、学習しやすい例ですが、
現実的には物事はもっと複雑です。
中期経営計画の説明をするときも、新商品の発売を説明するときも、
イベントの説明をするときも、情報を受け取る側が知りたいことには共通点がある...
というパターン認識に基づいて、情報発信することは簡単だとは言えません。

実際、そう聞いて、共通点を言えますか?

答え合わせをしておきましょう。ジャジャジャーン♪
それは、2W1H。
What:それは何か?
Why: なぜ行うのか、なぜそれが重要なのか?
How: どのように行うのか、その結果どうなることを目指すのか?
...の3点です。

「5W1Hではないの?」と思われたなら、
上の2W1Hはほぼ同じことです。

When(いつ)Where(どこで)Who(だれが)What(なにを)Why(なぜ)
Whom(誰に)までが、Whatに入るからです。

では、第2問(笑)!
あらゆる企画の目的を定めるときに、明らかにすべき点がある...と聞いて、
その共通点を言えますか?

それは、Before(現状)とAfter(改善後/実施後)の状況を言語化することです。
ところが、多くの場合、そのように目的を定めていません。
つまり、どうなったら成功したと言えるのかを明らかにしていないことが多いです。
でも、目的を明らかにするときは、
BeforeとAfterを明確にするとパターン認識すれば、出てきますよね。

こういったパターン認識、言い換えれば法則の発見を
省力化するためにあるのが、フレームワークなわけです。
でも、そもそも学習する際にパターン認識が重要だと理解できていないと
フレームワークがなぜ存在するのかも理解できません。
というわけで、本日の私の仮説は、引き出し≠経験ではなく、
引き出し=パターン認識ではないか...ということなんですが、
あなたはどう思いますか?

7月ももう半分。気温の変化に気をつけてお過ごしください。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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