教える仕事は得意ですか?
多くの企業で期が変わり、人事異動などもあって、
この時期はいつにも増して誰かが誰かを教えるというシーン、
多いのではないでしょうか。
私も社長ではありますが、人材育成は常に重要視しているので、
私自身が社員の育成に絡むことは少なくありません。
でも...
果たして教えることが上手か?と自問すると、
必ずしも自信を持って「はい」とは言えません。
私に限らず、これはよく言われることですが、
自分がプレーすることと、
自分ができる、イコール教えられるではありません。
そんな私ですが、「教える」について小さな成功体験もあります。
たとえば学生時代の家庭教師のアルバイト。
当時、ご近所の中学1年生の家庭教師を頼まれました。
お母様から「小学校での成績はイチニ、イチニだったから、
大変だと思いますが、よろしくお願いします」
最初の頃は意思表示も曖昧な恥ずかしがり屋さん。
でも、中学を卒業した頃の成績は、イチニ、イチニではなく、
サンシ、サンシになっていました。
私の教え方が良かったとは必ずしも思いません。
あえて良かったことがあるとすれば、
ゆっくり丁寧に基礎をしっかりやり直しました。
で、成績が上がると、子どもって明るくなるんですね。
当時、
しかし、この逸話、小さな小さな成功体験に過ぎません。
会社を経営していると、どちらかといえば、
人を育てるのは難しいなと感じることの方が多いです。
多分家庭教師と違って、自分ごと度が高いからですね。
悪くいえば、自分の欲得と無縁ではないからだと思います。
あ、いえ、そんなにエゴイストではないつもりですけど(笑
誰かに、仕事で自分の持っているノウハウを教えること自体は、
あまり難しいとは思いません。
でも、私が、人に何かを教える時に悩ましいと感じるのは、
相手の思考特性に合わせた伝え方をすることと、
あなたは今、これができていて、これができていない、
ということを自覚してもらうことです。
できているは、ストレートに伝えればいいわけですが、
ここはまだできていないを本人が納得できる形で伝えるのは、
結構高いスキルが求められると思います。
ソクラテスの「無知の知」をご存知ですか?
「自分には知らない世界があると自覚すること」
自分に知識がないことに気づいた者は、
だから、自分がいかにわかっていないかを自覚せよ、
でも、そもそも知らない世界というのは、
だから、存在さえ知らない世界があることを知れと言われても、
見えないものは見えないわけですから、
教える仕事の人やコーチの人はどうやっているんでしょうね。
あ、そういえば、いくつかについて、私も教わっています...。
彼らから学ぶことは何だろう?と考えてみました。
ありますね、共通点。
たとえば、私の筋トレのコーチは私にこう言います。
「オノさんの場合は下半身の強化が課題です。
週1のトレーニングでは現状維持が精一杯だから、
生活の中で歯磨きのようにトレーニングするのが理想ですね」
私のゴルフのコーチはこう言います。
「課題はグリーンが近づいてからのアプローチです。
そこが思ったようにいかないと、
「課題はアプローチなんだから、そこをがんばるだけですよ」
また、私のドラムのコーチはこう言います。
「今日の中で、これが一番良かったし、方向性は間違っていない」
と、そんなふうに肯定してくれながら、
「今の課題はここを滑らかにつなぐこと。
励ましつつ、課題を指摘してくれます。
こうしてみると、課題を自覚させるというのは、
スポーツやドラムに比べて、仕事の場合はわかりにくいですが、
それをわかりやすく伝えることが、
仕事上のコーチの役割なのかもしれません。
あー 奥が深い。
ゴールデンウィークが近づいてきました!
仕事を手放してお休みください。
5月も爽やかにいきたいものですね!