ネガティブをポジティブに転換する
2023年もあと10日ほどで終わろうとしています。
今年はどんな1年でしたか?
私にとってこの1年のキーワードは「課題」でした。
会社の課題、自分の課題、案件の課題、社員の課題...。
いろいろな意味で課題に溢れた1年でした。
ですが、私、課題は嫌いではありません。
課題は伸び代であり、成長にとっては宝だと思うからです。
でも、一般的には自分の課題は見たくもないし、
できるものならフタをしておきたいと思っている人は多い...
と、先日ある人との会話の中でそんな話が出ました。
そうかもしれません。
さらに言えば、ネガティブ思考やネガティブ感情は良くない、
ポジティブな思考や感情は良い、そう思っている人が多い(?)
でも、本当にそうでしょうか?
結論から言うと、私は、その考え方には懐疑的です。
ネガティブな思考や感情の方が、ポジティブなそれよりも、
圧倒的に熱量が高いですから、
そのエネルギーをうまく使えば何かが生まれると思います。
実際、自分の経験からいっても、
人生観を変えたり、苦難を乗り越えたり、
新しい世界に足を踏み入れた時には、
その直前に大抵は負のエネルギーがあった気がします。
さて、ここまで考えていたら、
かつて流行った心理テストのようなものを思い出しました。
コップに水が半分入っているのを見て、
「コップにはまだ半分も水が入っている」と思うか、
「コップにはもう半分しか水が入っていない」と思うかの2択。
前者を選ぶとポジティブ思考で、後者を選ぶとネガティブ思考...
というようなものでした。
今思えば、そんなに短絡的に決めつけていいはずがありません。
コップの水を巡っては、
「コップに『半分入っている』と『半分空である』とは、
だが、意味はまったく違う。とるべき行動も違う。
世の中の認識が『半分入っている』から『半分空である』
イノベーションの機会が生まれる」
(P・F・ドラッカー『イノベーションと起業家精神』)
つまり、ドラッカーが言いたいのは、
むしろ先ほどの心理テストの裏返しで、
人がコレコレがないことに不満を感じ、
さらに、おかしいじゃないかと憤りや悔しさを感じる、
それがエネルギーとなってイノベーションを生む。
満たされているからと楽観視していたのではイノベーションは生ま
言われてみれば、まさにその通り!
で、これ、社会もそうですが、
先週末の16日、「ハンク・アーロン賞」
8年前にこんなことを言っています。
「
今の相手と今後10年、20年、ずっと対戦していくのなら、
このバッターを倒すために必死になるとか、
思うのかもしれませんが、メンツも時代も変わりますし、
若い世代が入ってくれば対戦相手もどんどん変わる。
だから、
成長するチャンスを失うことになるし、
(Number881号:2015/07/02)
つまり、課題があるから努力がある。
結果オーライで課題をクリアしてもダメだと彼は言っているわけで
自分にはここが足りないと気づく。
できないことは、できない。
苦手なことは、苦手だ、と素直に自覚する。
足りない面を埋めようと努力するかどうかは二の次。
(
まず自分の現実をちゃんと直視する。
すると、努力すべきかどうかがわかる。
どんなに努力しても到底できそうにないなら、
やってみてから考えようと思うなら、そうすれば良い。
課題を直視して、努力した結果、成果が出たら自信になるし、
仮に成果が出なくても、次に活かせる学びが残る。
苦手だと直視できたら、「誰かに助けてもらうしかない」
課題という言葉には、そのような広がりがあるように思います。
私は、大切なことはポジティブであることでも、
ネガティブであることでもなく、
ネガティブなことをポジティブに転換することなのではないかなと
あなたはどう思いますか?
寒暖の激しさに体調を崩しそうな今日この頃、
2023年を元気でフィニッシュしたいものですね!