「コツ」を身につける「コツ」って?
私事で恐縮ですが、ここ最近、
なかなかコツが習得できません。いえ、
進捗感や成長実感は仕事でも大切ですよね。
今回、真剣に考えてみたら、原因らしきものが浮かんできました。
そこで、今日のテーマはコツを身につけるコツはあるのか?です。
●コツというのは「やり方」か?
今さらですが、コツ(骨)の辞書的意味は「 物事をうまく処理する要領」のこと。
骨は、体の中心で体を支えていることから、物事の本質を見抜き、
技能として体得することを「コツをつかむ」
さて、コツと聞いて、ぱっと浮かんでくるのは「やり方」
似た言葉に「ノウハウ」がありますが、その違いは何でしょう?
私独自の整理だと、コツは体得を前提にした暗黙知ですが、
ノウハウは、やり方に関する暗黙知を体系的に整理した形式知。
なので、ノウハウを知っているからといって、
共通認識に立つために、ここでの暗黙知とは?を書いておきます。
暗黙知:言葉で説明するのが難しい経験的な知識(
経験知と身体知の両方を含む概念。
ということは、コツを掴むには、
①知識(考え方や理論など)を知っていること
②経験・体験が不可欠で、体で覚え、感じること
③上の2項目の間を行き来しながら、
...が、重要だということになります。
考えてみれば、当然ですよね。
でも「先生についてやり方を教えてもらえばコツは身に付くもの」
といった感覚で取り組んできた今の私は、
●実践の「量」か「質」か?
経験知・身体知を高めるために、
仕事では業務経験を重ねることが重要になるわけですが、
では、その経験の「量」と「質」なら、
両論あるようですが、ここではまず
「質が変化するまで量をこなすことが重要」
こんな書籍があります。
『アーティストのためのハンドブック~
(デイヴィッド・ベイルズ、テッド・オーランド著)
その中で陶芸の授業における実験的なエピソードが語られています教室の左半分の学生は作品の「量」によって、
量のグループは、制作した作品の総重量で評価され、
質のグループは、自分で最高だと思う作品を一つ提出し、
最後に全体を「質」で比較すると、「質」
どれも「量」によって評価されるグループによるものでした。
なぜ、こうした結果になったのでしょう?
量のグループは、試行錯誤を重ねながら作品を作ったことで、
粘土の扱いもうまくなっていきましたが、
質のグループの方は、完璧な作品を作ろうとするあまり、
考えることに時間をかけすぎてしまったからのようです。
経験知と身体知は、実践しないことには身につかないわけですね。
●実践における「質」で大切なことは?
コツを掴むには実践の「量」が大切だとはいえ、実践の「質」
ジョンズ・ホプキンズ大学の研究に関する記事(Jeff Haden/「Inc.」)によると、
同じことを反復練習するよりも、
トレーニングを繰り返す方が習得が早いと分かったそうです。
例えば、新しいプレゼンテーションをマスターしたいなら、
最初の数回は全体を同じ方法で練習し、
あるセクションに集中したり、プロジェクターを変えたり...
そして、結果を評価し、機能しないものを破棄し、
機能するものに改良を加えるということを繰り返します。
注意点は、条件を変えすぎてはいけないということ。
この方法で習得が早くなる原因の詳細は書かれていませんでしたが
既存記憶が蘇りやすい上、
2つの記憶が再統合され、定着しやすいということのようです。
つまり、反復練習では練習方法の「質」(工夫)
●オノがトレーニングでコツが掴めなかったワケ
私がコツを習得できなかった原因は、こんなことだと思います。
・(コツ=やり方という思い込みから)
・(結果から検証していただけで)
・圧倒的に量が足りない
・教われば何とかなるという他力本願(笑 ←多分1番の原因はこれ!
新しいことが始まる機会の多い4月です。
コツを身につける際の参考になれば幸いです。
よい週末をお過ごしください!