株式会社グラスルーツの実績・お客様の声をご紹介します

実績・お客様の声

お客様の声「グルメ杵屋様」

「伴走者とともに、社内に変化を!」
株式会社グルメ杵屋 執行役員 加藤 誠久様

40数年にわたってレストラン事業を展開し、うどんの「杵屋」、蕎麦の「そじ坊」をはじめ、複数のブランドで400超の店舗を構えるグルメ杵屋様。「社員全員が共有できる夢が欲しい」と考えていた椋本充士社長の発案により、2012年、合意形成によるビジョン策定会議が開催され、グラスルーツが進行役を務めました。

プロジェクトの推進役

株式会社グルメ杵屋
執行役員 加藤 誠久様

プロジェクトのコーディネーター

アサヒビール株式会社
近畿圏市場開発支社
外食営業部 課長 足立 寛様

アサヒビール株式会社
大阪統括支社 堺支店
支店長 西村 茂様

「グルメ杵屋は何の会社か?」役員ごとに異なる認識

加藤さん:グルメ杵屋はこれまで、店舗ごとの販促活動は活発に展開してきましたが、特定のブランドもしくはコーポレートブランドのPR活動については本格的に実施していませんでした。「何かしなければ」という思いはあるものの、具体的に何から始めればよいのか手探り状態だった時に、アサヒビール様に相談したのが事の始まりです。

西村さん:はい、グルメ杵屋の担当である足立とともに御社をお訪ねし、課題を伺いました。その際、自社のコーポレートブランド推進活動の事例に加え、社内広報を担当した経験から参考になりそうな話をさせていただきました。その後、より深い話をお聞きになりたいということで、社内広報担当時代にお世話になったグラスルーツをお引き合わせしました。

加藤さん:皆さんからお話を伺い、役員と議論を重ねる中で「グルメ杵屋は何の会社か?」という問いに対して、個々人の認識が一致していないことが明らかになりました。私たちは長年企業活動を続けるうちに、レストラン事業のほかにケータリング事業や機内食の事業、地方卸売市場の運営など事業内容がどんどん多角化していきました。ですから、この基本的な問いに対して、役員ですら共通の解を持っていなかったのです。そして、そんな状態だからこそ、意識統一が重要だということに気づかされました。
目指すべきは、社員全員が同じ方向を見つめながら行動できる会社。「今こそグルメ杵屋のアイデンティティとビジョンを定める必要がある」と社長の椋本が判断し、「経営のブレない軸をつくるプロジェクト」を発足させました。椋本社長は、トップダウンで決めるよりも、社員の合議で決定することに意義があると判断したのだと思います。そして、社長含む役員9名とグラスルーツによる全11回の会議が始まりました。

議論を重ね、自分たちの手で心から納得する結論を導き出せた

加藤さん:かねてからブランディングに関する本を読んで勉強していたので、基本については理解しているつもりでした。ところが、いざ自社について議論するとなると、その知識がまったく役に立たない! 知識と現実のギャップに驚かされる日々でしたね。

足立さん:私はすべての会議を傍聴しましたが、外食企業トップの生の声を聴くという貴重な体験をさせていただきました。全体を通して振り返ると、議論は山あり谷あり。グラスルーツが役員の意見を巧みに引き出して活発に議論が交わされる場面もあれば、意見が真っ二つに分かれ硬直する場面も...。一時はどうなることかと思いましたが、皆さん、よく踏んばりましたよね!

加藤さん:最後の数回で、グルメ杵屋のターゲット・提供価値・長期目標・短期目標が一気に決まりました。ギリギリのところで議論がどんどん流れ出し、鮮やかなラストスパート! 最終回は、「やり遂げた」という達成感と「実のある会議になってよかった」という安堵感に包まれましたね。

足立さん:長期目標には、「日本のソウルフードで世界の人々を幸せにする」という文言がありますが、悩んだ末に参加者の一人から「ソウルフード」という言葉が出て来た瞬間は忘れることができません。「これだ、求めていた表現は!」と、場が一気に沸き立ちましたよね。
改めて会議の成果を眺めてみると、感慨深いものがあります。というのも、ここに書いてあることはすべて、グルメ杵屋の役員お一人お一人の中から出て来たもので、グラスルーツが誘導した結論ではないからです。真剣に議論を重ねた結果、ご自分たちの手で心から納得する結論を出したことに感動しました。

加藤さん:グルメ杵屋にとって、まさにブレない軸ができた瞬間でしたね。
プロジェクト終了後、目標達成のために各部門が動き出しました。取り組みは多岐にわたりますが、その一つにお客様にサイフにやさしいサービスを提供する「小さな贅沢」キャンペーンがあります。「誕生日月のデザートサービス」「待ち時間にお子様へ絵本の貸し出し」など全従業員からアイディアを募集し、店舗主導で進めています。

足立さん:プロジェクトが終わって数カ月後、店舗に訪れたら携帯電話の充電用コンセントを貸し出してくれて。「会議で生まれた『小さな贅沢』が、こんな風に形になっているんだ!」と、うれしくなりました。

組織の未来のために、変化を。伴走してくれる貴重な存在

加藤さん:プロジェクトの前と後で変わったことは、まず、役員の考え方が大きく変化しました。今までは、「事業計画」「長期計画」「中期計画」などを半ば"絵に描いた餅"のようにとらえていましたが、プロジェクト後は、自分たちが具体的に行動を起こすための"生きた目標"に変わりました。それから、「ブランディング」「ターゲット」「提供価値」など組織や経営に関する共通言語ができたため、何を話してもストレスなく通じ合えるようになりましたね。

西村さん:よくわかります。私たちはつい、「いかにして売上を上げるか」というプロモーションの文脈のみで話を進めようとしてしまいます。そしてその分野であれば、広告制作会社はじめ専門の会社がたくさんあり、協力を仰ぐことができます。しかし、"組織が一つの方向に向かいながら、いきいきと持続するため"という文脈で考えようとすると、たちまち行き詰まってしまう。ピーター・ドラッカーの書籍などで優れた知識に触れることはできても、実際にそれを自社に落とし込むとなると一筋縄ではいかないからです。そんな時、解を導き出すためにファシリテートしてくれる存在はとても重要。インナーコミュニケーションに特化したグラスルーツは、その分野のエキスパートです。この仕事は、前任者の仕事を引き継ぐだけなら難なくできますが、新しく変化を起こそうとすると簡単ではない。無から有を生み出す道のりを伴走してくれる人が必要なんです。
酒類業界に身を置く私たちですが、ただ商品が売れればいいとは思っていません。お得意先の課題に対して頭をひねりながら、一緒に解決していく姿勢を大切にしたい。そういう意味で今回、グルメ杵屋様に貢献できたことは心からうれしいですね。

加藤さん:私たちの挑戦は始まったばかり。思うように結果が出ず歯がゆいこともありますが、自分たちの手で生み出した夢を大切に育てていきます!

プロジェクトについて:経営のブレない軸をつくるプロジェクト(全11回の会議)

会議終了後、決定した内容を全国の店長に報告する機会が設けられましたが、その際に使ったツールが左の冊子『GK魂 ブランドブック 〜日本のソウルフードで世界の人々を幸せにする!』。本プロジェクト発足のいきさつや会議で話し合われたこと、導き出した結論を16ページにまとめています。

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